1994年度のチャンプは関東馬ダノンプラチナに軍配!!
今年の2歳馬の決定戦「朝日杯FS」は、これまでの中山から阪神競馬場に舞台を移して、精鋭18頭が集結。 ところが前日の大雨の影響が残っていて、高速時計の決着は絶望的。しかも、道悪という馬場コンディションは未経験の馬がほとんど。 そういった中で人気は500万のベゴニア賞を勝ち上がったダノンプラチナ。4.6倍の1番人気。そして新馬→札幌2歳Sを連勝したブライトエンブレムで5.0倍。また、いちょうSをレコード勝ちしたクラリティスカイが5.3倍の3番人気。話題のオルフェーヴルの弟のアッシュゴールドが4番人気で5.3倍。 かなり上位4頭が接近した人気を集めていたのです。むろん道悪は未知数。ファンの方も初めて経験する状況に頭を痛めておられたようです。それでも、結果的にファンの目の高さに脱帽しました。 そして、朝日杯FSはスタートを切りました。1番枠のネオルミエールはダッシュが付かず遅れます。戸崎騎手のセカンドテーブルが京王杯2歳Sのときと同じように主導権を取りに出ます。外から武豊騎手のアクティブミノルが、すかさず並びかけて、何が何でも主導権を主張。馬体を併せた内にはセカンドテーブル。2頭が3番手以下を離し気味に飛ばします。3番手に大外からメイショウマサカゼ。 4番手以下が少し離れます。外からじんわりとクラリティスカイが浮上。中団の後ろから後方にかけて、内からナヴィオン、その外にタガノエスプレッソ。その外にブライトエンブレム。そして、それらの真後ろには内からアルマワイオリ、馬体を併せてダノンプラチナ。その外にはワキノヒビキ。後方にはアルマワイオリの直後にネオルミエールで、最後方には腹をくくったのかアッシュゴールド。 前半3ハロンが34秒9。1秒近く時計を要する馬場コンディション。間違いなく緩みない流れです。先頭がアクティブミノルで2番手がセカンドテーブル。そして、半マイルが47秒3。ここから外をじんわりとダノンプラチナが進出態勢。 4角をまわってもアクティブミノルが先頭。直後でセカンドテーブルがラストスパート態勢。クラリティスカイが馬場中央からグイグイと迫って来ました。その外からブライトエンブレムと、馬体を併せた大外をダノンプラチナが大きなストライドで急接近。 内で踏ん張るアクティブミノル。先頭に立ちかけたクラリティスカイにすかさず馬体を併せるダノンプラチナ。体勢はこの2頭の争いに絞られました。ラスト200mで一気に先頭に立ちかけるダノンプラチナ。クラリティスカイが最後の最後で、やや伸びを欠いているところに、直線インサイドを通ってアルマワイオリが猛然と追い込んで来ました。 抜け出したダノンプラチナの蛯名騎手は、後方から伸びてくる馬を警戒したのか、一瞬振り返ります。それでも、その勢いは止まりません。余裕でゴールイン。内から鋭く伸びたアルマワイオリが2着。3着がクラリティスカイ。ゴール直前で中から伸びてきたネオルミエールが4着に入線。 よく踏ん張ったのがアクティブミノル。勝ち馬と0秒4差。ブライトエンブレム、アッシュゴールドに先着。ナヴィオンは中団で伸びを欠いて11着。注目していたセカンドテーブルは2番手につけたものの速い流れに戸惑ったのか、あるいは道悪を気にしたのか、直線後続に飲み込まれるとお手上げ状態でした。良馬場で改めて見直したい1頭です。 また、話題のアッシュゴールドは最後方から直線で大外をまわり、さあ、これからという時にこれと言った伸び脚が見られず8着。まだまだ成長途上の印象。馬体の成長も望まれます。 一方で、14番人気で内から見違えるような末脚を見せたアルマワイオリ。やや掛かる気性の持ち主ですが、中団でしっかり折り合いを付けて、最後に末脚をフル回転させました。マツリダゴッホ産駒で将来性は、現時点ではなんとも言えませんが、今回の快走を素直に評価すると不気味な存在であることは確かです。 優勝したダノンプラチナは、これまでとはまた一つ違ったレースを披露。好位置でも折り合える器用さもあり、また末脚でねじ伏せるような今回のパフォーマンス。現段階のクラシック最有力候補にのし上がった印象です。
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