有馬記念で
ジェンティルドンナや
ジャスタウェイと大接戦を演じた
ゴールドシップ。その大将格の馬が、一枚格落ちした顔ぶれ相手に別定戦。「アメリカ
JCC」はまず負けないないだろう、2着争いだ!とばかりに単勝は1本人気。1.3倍と圧倒的な支持を集めました。
そして、
岩田騎手が坂路の追い切り後に「
有馬記念のときよりも具合はいいと思う」と、カメラの前でハッキリとコメント。圧倒的な競馬ファンは、相手探しで考えが統一されていたようです。
一見して死角が見当たらないような主役
ゴールドシップでしたが、ところが、私の目には
有馬記念ボケがあるかも、と考えていたのです。
それはどういうことか、と言うと、過去2年は連続して
有馬記念後は3月の
阪神大賞典からスタート。今年は1ヵ月後のアメリカ
JCC。何故!?ドバイ遠征の前にひと叩きして臨みたい、というプランが視野に入っていたかも知れません。
有馬記念であの強豪たちと激しい死闘を演じた直後の一戦。大丈夫か、疲労は微塵も残っていないのか。
むろん、アッサリと勝ち上がって当然の馬でしたが、負けるということも私には十分に考えられたのです。それでも、まさか、まさかでした。

強力な逃げ馬が見たらない顔ぶれ。
アルゼンチン共和国杯のように
クリールカイザーか、
菊花賞で見せた先行力からマイネルフロストか。あるいは
ゴールドシップが思い切って主導権を取るのか。
スタートを五分に出た
ゴールドシップ。中から
クリールカイザー、外からミトラが前に出て来ました。
ディサイファ、
セイクリッドバレーも積極策。直後のインに
パッションダンス、そのそとに
ラインブラッド。中団の内に
エアソミュール。後ろには
ダークシャドウと
オーシャンブルー。後方にはマイネルフロストがいて、その真後ろには
ゴールドシップの白い馬体。そして最後方にはダッシュのつかなかった
フェイムゲーム。
半マイルが50秒9、1000m通過は1分3秒0。明らに超スローペース。2コーナーから向う正面にかけて、外からたまらんとばかりに
ラインブラッド。かかり気味に先頭の
クリールカイザーに並びかけてきました。そして先頭に立ちます。
エアソミュールが5、6番手で折り合っています。中団の外に
ゴールドシップが追走。内に
ダークシャドウ。後方にショウナン
ラグーン。最後方には変わらず
フェイムゲーム。

3コーナーを
ラインブラッドに先頭に内に
クリールカイザー、外に並んでミトラ。中団のインに
ディサイファ、馬体を並べて
エアソミュール。その直後に
ダークシャドウと
ゴールドシップ。最後方から少し順位を上げた
フェイムゲーム。ショウナン
ラグーンはそのあとです。

そして、4コーナーにさしかかる手前で、
クリールカイザーの
田辺騎手が内から先頭を奪って一気に仕掛けます。これをみてミトラもついて行きます。3番手以下が離れました。
ディサイファとエアソミュールが、後ろの
ゴールドシップを気にしながら、好位にじんわり進出。直後にマイネルフロストで、内に
パッションダンス、外に
ダークシャドウ、
オーシャンブルー。その後ろが
ゴールドシップで、やや手応えが鈍そうです。そして後方に
フェイムゲームと、ショウナン
ラグーン。
直線は一気に抜け出した
クリールカイザーをミトラが追う形。3番手争いは内から
ディサイファとエアソミュール。外からマイネルフロスト。中団の外にようやく上がって来た
ゴールドシップ。ラスト100mくらいから鋭い伸び脚を見せましたが、前を捉えるまでは無理。
クリールカイザーの足取りは確かで、そのままミトラ以下を押し切って待望の初
重賞勝ち。3着に
エアソミュール。
ゴールドシップは凡走と言っていいくらいの7着敗退。これが
皐月賞、
菊花賞、
有馬記念、
宝塚記念圧勝した馬なのでしょうか。溜め息まじりのファンならずともあまりにも残念な結果。ひょっとして、早熟だったのでしょうか。ドバイ遠征に黄色信号が灯っています。
