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年度代表馬ウオッカに大いに異議あり!!


 1月6日のJRA賞で、昨年の年度代表馬にウオッカが選出されました。ウオッカにとっては2年連続の年度代表選出。ウオッカは昨年3勝。ヴィクトリアマイル、安田記念、ジャパンカップで1番人気に応えました。この実績から当然という声がある中で、私は断然カンパニーのほうが年度代表馬に相応しいと考えています。
 何故なら対ウオッカとは昨年3度対戦して2勝。とくに軌道に乗った秋の陣では、毎日王冠でウオッカに並ぶところなく抜け出した破壊力。更に、強烈なパンチ力で圧勝した天皇賞。3着ウオッカはゴール寸前で先行し2着だったスクリーンヒーローと同じ脚色。カンパニーには完敗だったのです。
 また、カンパニーはラストランとなったマイルチャンピオンシップで圧倒的な強さで期待に応えて優勝。昨年は中山記念を含めて4勝の輝かしい実績。史上初めての8歳馬のGI制覇。多くの競馬関係者、牧場関係者に夢と勇気を与えました。それどころか、年齢を重ねた世の男性に、退職を控えた男性諸氏に、希望と夢と、強い勇気をもたらした素晴らしい快走だったのです。
 一方、年度代表に選ばれたウオッカを振り返ってみると、年明けドバイに遠征して5、7着。期待に応えられず失意の帰国。そして、牝馬同士のGIヴィクトリアマイルは、例年よりレベルダウンしたブラボーデイジー級相手に圧勝。続くGI安田記念は武豊騎手の最高の騎乗によってディープスカイを下し優勝。大接戦でした。3着がファリダットで4着がカンパニー。時計は前年の安田記念より0秒8も遅いタイム。ちなみに、NHKマイルC優勝馬ジョーカプチーノが、ウオッカを1秒以上も上回る快走。
 そして、秋の陣は毎日王冠からで、前記した通りカンパニーに完敗。天皇賞もレースの位置取りに問題があったとはいえ、これまたカンパニーには完膚なく敗退。で、ジャパンカップ。ルメール騎手にチェンジ。ラッキーでした。最高のポジションを占めることができたのです。不利らしい不利もなく優勝。2着オウケンブルースリと2センチの鼻差。出遅れたり、一瞬でも前が詰まったりすると、優勝はなかったはずです。オウケンブルースリは4コーナーで、外に膨らんだコスモバルクの影響を受け、またその外、大外をまわるハメになったことが鼻差ゆえ致命的。内容的にはオウケンブルースリでした。
 ウオッカは昨年、1度も右回りを走っていないのです。優勝は東京だけ。考えてみれば、一昨年の2月、京都記念6着に破れてから右回りは1度も走っていないのです。年度代表に選ばれたここ2年、京都、阪神、東京、中山といった主要4競馬場のうち東京でしか勝ち鞍がないウオッカ。京都記念以外、国内では東京以外走っていないウオッカ。こんな年度代表馬がいたでしょうか。
 日本ダービーを牝馬が64年ぶりに勝って以来、圧倒的存在感ができました。ウオッカ神話のようなものです。それによる見えない加点がウオッカにはつくのでしょうか。例えば、選択するほうが、比較する段で他の馬よりも1点くらい悪くとも、結果はウオッカの勝ち!といった具合です。ゆえに、ヴィクトリアマイルの優勝がなくとも年度代表に選ばれた可能性があります。
 私は今回特別賞に選出されたカンパニーが、公平に見てもはるかにウオッカより年度代表馬に相応しかったと思います。選ばれなかったのはウオッカより存在感が薄かったということなのでしょう。中山でGⅡの中山記念を勝ち、同じくGⅡ毎日王冠、GI天皇賞を東京で優勝。京都のGIマイルチャンピオンシップで完勝。この見事な8歳馬カンパニーこそ2009年の年度代表馬に相応しい馬だと確信してほかなりません。