皐月賞トライアル「
弥生賞」。
皐月賞と同じ舞台、同じ距離で行われる、まさに注目の一戦でした。
人気の中心は新馬→
GⅡ「
ホープフルS」を圧勝した2戦無敗のクラリティスカイ。そして新馬→
GⅢ「東スポ杯2歳S」と、これまた2戦2勝のエリート、サトノクラウンが2番人気で続きます。
中山2000mの
葉牡丹賞の勝ち馬トーセンバジルが3番人気、
札幌2歳Sの勝ち馬でひと叩きした
ブラックエンブレムが4番人気でした。
顔ぶれから単騎逃げが打てる展開で、当然のようにタガノ
エスプレッソが飛び出して行きます。それぞれの
騎手はそのことを十分承知で、外からコメートが2番手に顔を覗かせたのですが、内からそれを制してシャイニングレイが2番手をキープ。4番手に内からベルラップ、その外にサトノクラウン、それに外から並びかけるようにクラリティスカイ。
そして、そこから少し離れてタガノ
エスプレッソ。また少し離されてトーセンバジル、グァンチャーレ。控えたブライトエンブレムが最後方から2番手を追走。
前半5ハロンが61秒3。稍重馬場で時計を要する馬場コンディション。おそらく1秒近く遅いパワフル馬場だったような気もします。そんな中、それぞれのハロンで13秒台がゼロ。平均ペースよりやや速い流れで展開して行きます。

正攻法で2番手に付けたシャイニングレイ。外に併せてきたコメートが前に出ようとすると、それに押し込められては大変とばかり後ろに引くことをしません。それで4コーナーから直線に出てきて真っ先に先頭に立ったシャイニングレイ。外にはコメート。その背後で気を窺っていた福永サトノクラウン。すぐ後ろまで接近してきています。内からはクラリティスカイ。その後ろから
菱田騎手のタガノ
エスプレッソ。そして4コーナーで、膨らむように大外をまわったブライトエンブレムが追撃態勢。トーセンバジルとグァンチャーレも前を追います。

直線でシャイニングレイに並びかけたサトノクラウンが、これを一気に抜き去るとあとは独壇場。真っ先に余裕をもってゴールイン。直線外からブライトエンブレムが際立つ末脚で1馬身半差まで詰め寄ったところがゴールでした。
皐月賞の最後のイスをめぐって3着争いが熾烈。内からクラリティスカイでしたが、最後でギブアップ。トーセンバジルを中に内からタガノ
エスプレッソ、外のグァンチャーレの叩き合いは、内のタガノ
エスプレッソがクビ差で3着を確保。なんとか
皐月賞の権利を取りました。


優勝したサトノクラウンの勝ちタイムは2分1秒8。昨年の
トゥザワールドが良馬場で2分1秒4。レースの上りタイムがともに36秒4。良馬場であれば当然、昨年の時計を上回っていたはずです。まさに
皐月賞につながる圧勝劇だったように思われます。
ただし、道悪の馬場コンディションを苦にしていたとしていたら、シャイニングレイ、クラリティスカイの巻き返しがあっていいです。
隣で
弥生賞を観戦していた元
騎手の
佐藤哲三さんは、私に「シャイニングレイは追い切りの時から頭を上げ、引っ掛かる面を見せていたんです。だから
弥生賞は勝てない、2着もどうか。でもこの相手に3着はあるだろう。まさか菱田のタガノ
エスプレッソに差し込まれるとは・・」と、ポツリと語っていました。

サトノクラウンに騎乗した
福永騎手は、
共同通信杯で快勝し、2戦2勝と凄い素質を感じさせるリアルスティールにも騎乗。当時もクラシックが楽しみだ、とコメントしており、どちらを選択するのか、まさに嬉しい悩みの悲鳴です。リアルスティールは来週の
スプリングSを目指します。
