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今年のフェブラリーSは佐藤哲三というジョッキーにただただ脱帽!($・・)/~~~


 今年のフェブラリーSで圧倒的な人気を集めたエスポワールシチーは“危ない!”と思ったのです。確かに4連勝して勢いに乗っていることは確かだけど、どうもエスポワール向きの流れには、なりそうにもない、いやならない、と考えたのです。
 それというのも、スプリントNO1のローレルゲレイロが大逃げを打ち、その外からリーチザクラウン。内にはケイアイテンジンがいて、初ダートで砂を被りたくないレッドスパーダも前々で展開。昨年の優勝馬サクセスブロッケンも早目に動ける位置にいて、直線先頭を狙ってくるかも知れない。いずれにしても流れは相当速くなりそうだ。
 こんなときに、エスポワールシチーの佐藤哲ジョッキーは何を考えて、どういう作戦に出てくるのだろうか。恐らく最初のスタートの際の芝の部分では、ローレルゲレイロの方が断然速いから、いくらなんでも先頭は無理。武豊騎手のリーチザクラウンがこれを追いかける。内で揉まれたくないケイアイテンジンも行くだけ行く。エスポワールが目標のサクセスブロッケンの内田博騎手はピッタリとエスポワールの直後に付ける。この日、3番人気に推されたレッドスパーダも初めてのダートを意識して、砂の被らない好位置に付けて行きたい。そんなことを考えていると、エスポワールの位置取りが前に2、3頭見て、好位のインサイドという見方。となると、どうしても砂を被る形の競馬。それより前を走る馬を早目に強引にでも捕まえに行かないと、直線横に並んでヨーイドンでは末の切れる馬に差し込まれてしまう。一体、佐藤哲騎手はどう乗ってくるのだろう。
 で、彼が考えた作戦が、最初は多少強引でも2番手に付ける作戦。この強気の姿勢がエスポワールに勝利をもたらすことになったのです。
 この日、私はどうしてもエスポワールが優勝するシーンが思い浮かびませんでした。で狙ったのがエスポワールなど先行勢を見て展開できるテスタマッタ。前走の喉の手術明けの川崎記念ではヴァーミリアン、フリオーソを追って3着。後続の4着が2馬身離れてゴールデンチケット。ジャパンCダート3着馬。その比較からも4歳馬では屈指の存在と判断。ジャパンCダート2着のシルクメビウスをジャパンDダービーで圧倒した内容からも絶対差し切れると見ていたのですが、結果は残念ながら必至に肉薄したものの無念の2着まで。
 テスタマッタの村山調教師は「佐藤哲三というジョッキーの凄さに負けたようなものですね。あの2番手策はかなり冒険なんです。目標になるし、一歩間違えると速い流れに巻き込まれて、失速する恐れがあるはずなんですよ。だから普通は好位に付けて行け、とかなるんですが、強気に行きましたね。よほど馬の力を信じていたのでしょう。彼にやられましたよ」と、佐藤哲騎手の大胆な騎乗ぶりに驚きを隠しませんでした。
 いずれにしても、この強気の姿勢が同型の馬たちに及ぼした心理的な影響は計り知れませんでした。先行すると思われていた4番人気の武豊リーチザクラウンは中団の外に下げる消極策。ファンとすれば4コーナーあたりで見せ場くらいは作って欲しかったに違いないのですが・・。
 結局、2番手のエスポワールシチーの前にはローレルゲレイロしかいなくて、隣から包み込んで来る馬もいませんでした。直線は前の馬を捉えるだけ。2馬身半差の圧勝劇も当然でした。ただただ佐藤哲三騎手に脱帽です。
 我がテスタマッタも中団に待機して、直線内の馬込みの中を縫うように伸びてきたところがゴール。末脚の威力は目立っていたのですが、まあ、2着も良く頑張ってくれたと思います。ちなみにラスト3ハロンは35秒5。全出走メンバーの中で最速でした。4歳馬、次なる目標は、船橋のダイオライト記念でしょうか。