fbpx

勢い止まらずノリちゃんコールに酔う観衆!!


015   私は、これほど美しい一瞬を見たことがありません。それはスタンドの観衆に向かって騎乗の人が立ち上がり、さっと右手をやや右斜め上、顔も腕のやや方向、腕と顔はVの字の谷間の底部分。このパフォーマンスは、まさに勝者だけに与えられた最高の美を表現しているようにも思えたのです。

注目の3歳マイルのチャンピオンを決めるGI「NHKマイルC」は、五月晴れの東京競馬場で、精鋭18頭が揃って行われました。

上位5頭が接近した人気。そのなかに勝者に輝いた1頭がいました。6.4倍の3番人気に支持されたクラリティスカイです。東京のマイル戦は昨秋のいちょうSでレコード勝ち。それ以来の東京マイル戦。今年に入り弥生賞→皐月賞とクラシック路線。皐月賞にしても果敢に先行して5着に善戦。良績あるマイル戦で当然ながら多くのファンも有力視していたわけです。

008 顔ぶれからレンイングランドか3連勝中の牝馬アルビアーノが主導権という予測通り、先手を取ったのがレンイングランド。予期したように2番手に控えたアルビアーノ。その直後に横山典騎手のクラリティスカイ。ギュッと手綱を絞って抜群の手応えです。

そして中団の内に支持を集めたグランシルク。その真後ろにミュゼスルタン。1番枠のアヴニールマルシェはヤングマンパワーと同じくダッシュがつかず後方グループに置かれます。

010 前半3ハロンが35秒3、昨年、先手を取って逃げ切ったミッキーアイル34秒6。それに比較してもかなり緩いペース。そして半マイル47秒2、1000m通過が59秒3。絶好の馬場コンディションでこのスロー。各馬は離れず団子のような展開で楽について行きます。

012 そんな中で、3、4番手をキープしたクラリティスカイ。4コーナーでは前を行くアルビアーノの直後にピタリとつきます。それは引っ張り切れないくらいの抜群の手応え。各馬横並びでヨーイドンではマズいと考えたのか、横山騎手は直線でアッサリ先頭に立ったアルビアーノに照準を合わせると、目前のアルビアーノを目がけて追い出しにかかります。馬体を併せると懸命に頑張るアルビアーノを捉えて、余裕綽々にゴールイン。外からミュゼスルタンが末脚を伸ばして来ましたが、外をまわる不利もあってアルビアーノを捉えることができず3着。

013 同じように中団からラチ沿いの最内を通ってグランシルクが前を追いましたが、直線で窮屈な場面もあって伸びきれず5着。スタートで置かれたアヴニールマルシェが内を突いて4着に食い込みました。 このスローペースだったわりには1番人気から5番人気までが上位5着に入り、GIとしても至極順当な結果となりました。

014 005 天皇賞に続きGI連覇の横山典弘騎手。あまりの嬉しさに上機嫌で検量ルーム前でも拳を高々と突き上げて栄光の帰還。ジャンプし万歳ポーズと飛び降ります。

「いやあ、具合がすごく良かったよ。追い切りの時点では正直どうかな・・、という思いもあったけど、今日はしびれるくらいの手応えで、凄い出来だったよ」とコメント。

よほど嬉しかったようで、何度も何度も拳を高く突き上げていました。本当にGIでは絵になる名ジョッキーです。

002004