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海洋で半年ひとりぼっち。船酔いがひどいんですと、海洋冒険家のS氏は・・


1003041  海洋冒険家の白石康次郎さんは、いきなりこんな事をいうんです。
 「僕はね、ひどく船酔いするんです。もっともほとんどの方は船酔いをするんですが・・」
とポツリと。
 「えー! 白石さん、あなたは海洋冒険家ですよね。ヨットで長い間、海洋の上にひとりで生活しているんですよね。その方が船酔い??ってビックリです」と私。

 白石康次郎さん、ヨットで世界の海をまたにかける海の男、ヨットマン、海洋冒険家。この日のTBSラジオ「アベコーのもりモリトーク」のゲストに来てくれました。日焼けした顔に、筋肉質の身体。盛り上がった腕。笑うと白い歯がこぼれる、なかなかのイケメン。
 史上最年少で「ヨット単独無寄港世界一周という大記録を樹立」白石さんが26歳のときだったそうです。それ以来もヨット一筋。
 2006年には単独ヨットレースでは、世界最高峰の「ファイブオーシャンズ」に日本人として初めて挑戦。競馬でいうならさしずめ凱旋門賞でしょうか。ここで総合2位という輝かしい成績。
 更に、2008年にはサンフランシスコ→横浜間、太平洋横断のヨットでは最速時間を記録。一躍、時の人となりました。

 「白石さんは常にヨットに乗っているんですか?」と私。
 「ええ、まあ、大体そうですね。1年の半分くらいかな?そうですね、やはり半年くらいです」と、白石さん。
 「そんな海の上で生活しているような方が、なんで船酔いなんかするんですか?」と私。
 「普通に考えると不思議ですよね。でも、こればかりは仕方ないんですよ」と白石さん。
 「じゃあ、ヨットでは大変なことに・・」とマリンちゃん。
 「食事中の方はごめんなさい。そうなんです。ゲーゲー吐いているんです。1日チョットかな? もう吐くものが無くなったときから、後はもう何ともないんです。いくら食べても平気。もっとも、食べないともたないしね」と白石さん。
 「そうなんですかー。最初の日は大変ですね」と私。
 「でも、慣れちゃいましたからね。行事みたいなものですよ。普通のヨットマンや船乗りさんも最初はそうらしいですよ。地上の平衡感覚に慣れてきたと思ったら、また違う海の平衡感覚になるのですから、大抵きますよね」と白石さん。

1003042_2 「あの~、海の上で一人きりなわけじゃないですか、毎日毎日、海しか見えないとこで一人は淋しくないですか?」マリンちゃん。
 「いや、大丈夫ですよ。慣れちゃったし、携帯の性能が昔と違って、随分進んでいますからね。前にも妻から“あのー印鑑どこに入れたの?”なんて連絡があって、どこそこのところに入っているはずだよ、なんてね。(笑い) 地上にいるときと同じくらいの生活感覚でいます。あっそうだ、ディープインパクトのことも知っていましたよ。凱旋門賞のときかな。向うでも凄い評判でしたね」と白石さん。
 「あー、そうだったんですか。競馬ファンの僕としても嬉しいですね。なるほど、以前とは機器の発達で、昔とは状況が変わってきているんですね。もっとも、久しぶりに大事な人に会えたことのほうが、思いが増すらしいですよ」と私。
 「かも知れません(笑い)」と白石さん。

 「世界の海とはどことどこに行かれたのですか?」マリンちゃん。
 「世界の海ですか。もう、いろんなところにいきましたよ。本当にいろいろな海に行きましたね。南極海も行きましたし、あっそうだ、北極海は残念ながらまだですね」と白石さん。

 「さて、ファイブオーシャンズは4年に1度の世界の最高峰のレースで、世界で一番過酷なレースだと聞きましたが・・」と私。
 「そうなんです、極冠の海や灼熱の赤道など、8ヶ月間、まさに一人で闘わないといけないんです。でも、いつも思うんですが、夜に星が降るようにあるんですよ。昼は暑くてたいへんだった夜空も、南十字星がキラメクように迎えてくれるなんて、最高ですよね」と、大自然の美しさを感じ取れる幸せをアピール。
 
 「白石さんはチョコ菓子の小枝が、ヨットで普通に食べたいとか?普通に食べられないんですか?」と私。
 「いやあ、今日もこのスタジオに用意してくれてありますが、たとえば、極冠の地だと、開けたらすぐに凍ってしまって、大枝になってしまうんですよ。逆に赤道近くの灼熱の暑さだと、融けてグチャグチャ状態。だから原型の小枝で食べたいな、(笑い)ということです」と白石さん。

 日本に戻って来ているときには、ラジオやテレビ、イベントなどで多忙とか。やはり、ヨットマン海洋冒険家としては海の上、ヨットの中が一番落ち着くのかも知れません。