fbpx

衝撃!!あのときゴールドシップに何があったのだろうか?!


001 それはまさか、まさかでした。単勝1.9倍と断然の人気に推されたゴールドシップ。今年、前半戦の総決算「宝塚記念」。過去2年、宝塚記念は2連覇。それも3馬身半、3馬身と圧倒的な強さを誇っていたレースでした。

加えて、ゴールドシップは阪神コースで7戦6勝2着1回。断然の強さでベストの舞台。しかも、ジェンテイルドンナ、ジャスタウェイ、ハープスターなどが引退。それにエピファネイアが不在。強力なライバルたちの姿が見えない中にあって、王者ゴールドシップにとっては負けられない、負けてはいけないレースでした。

ところが、先の天皇賞でゴネまくりゲートに入るのを極端に嫌がり、完全にボイコット状態で抵抗。ようやく黒い覆面で頭から覆い、ようやくゲートに入るまで随分と時間を要していました。当時ラストインパクトに騎乗した川田騎手などは「ゲートの中でかなり待たされて、馬が意気消沈してしまった」とコメント。

003 ゴールドシップは何故、それほどまでにゲート入りを嫌がったのであろうか、私の脳裏にはそのことが、こびり付いて離れませんでした。

そして最後方から3コーナー手前一気に仕掛けて先行勢の直後に急接近。直線早めに抜け出して、追い込んだフェイムゲームの追い込みを封じて優勝。通常のレースでは考えられないような、いわゆる常識破りのレースに度肝を抜かされた思いがありました。

004 ゴールドシップは内面で“荒れている”。何が彼をそうさせるのか、円熟期に入った6歳という年齢からも、彼の内面で起きていることが解せませんでした。

「ゴールドシップは走ることが嫌なのだろうか?!」答えを出せない中で、今回の宝塚記念を迎えたのです。優勝すれば同一GI3連覇!いずれ種牡馬としてデビューする上で、大きな財産になるはずでした。

005 006 さあ、大きな夢を乗せてゴールドシップは、真っ先にゲート入り。前回のゲート再審査からイの一番にゲートに入らなくてはなりません。黒覆面を今回は最初からすっぽりと被されて、何の問題もなくゲート入り。ああ、無事に入って良かった、と安堵の気持ちが頭の中を駆け巡る中で、再びゴールドシップに目をやると、急に立ち上がり、隣のゲートのラブリーデイに話しかけるようにモタれ、脚を降ろして一旦、リセットをすると今度は後ろ脚で立ち上がり、そのときにガシャンとゲートが開放。大きく取り残されるゴールドシップ。他の馬と2秒くらいのタイムロス。

3200mの天皇賞ならいざ知らず、芝2200mの宝塚記念では、完全に白旗状態でギブアップ。大きく離された最後方をポツンと走るゴールドシップ。

しかも、強力な逃げ馬が不在。押し出されるようにレッドデイヴィスが主導権。2番手に外からじんわりとラブリーデイ。追い込みのオーシャンブルー、トーセンスターダム、ネオブラックダイヤが3番手グループ。中団の前方にはヌーヴォレコルト、その直後にショウナンパンドラ、ワンアンドオンリー、トーホウジャッカル。その後の外目をラキシス、内は出遅れたカレンミロティック。そこから離れてデニムアンドルビー。そして大きく離されてゴールドシップ。

前半の5ハロンが62秒5、そこの地点から12秒台にアップ。1400m通過が1分27秒7。3コーナーです。ここからさらに11秒台にアップ。

ガッチリと2番手を進むラブリーデイ。真後ろにトーセンスターダム、その背後にヌーヴォレコルトが虎視眈眈。その後ろからショウナンパンドラ、外にトーホウジャッカルが前を追います。ワンアンドオンリーとディアデラマドレが接近中。後方にはラキシス。その後ろがデニムアンドルビー。そして最後方がゴールドシップ。

直線でレッドデイヴィスを捉えたラブリーデイが抜け出してきました。それを追ってトーホウジャッカルとヌーヴォレコルトが追いかけます。内からショウナンパンドラ。

スローの直線だけでの競馬の印象でしたが、ラスト1ハロンが11秒6から12秒4にダウン。その落ちたところを大外からデニムアンドルビーが猛然と追い込んで来ました。勢いは圧倒的にデニムの末脚でしたが、絶好のポジションで駒を進めたラブリーデイが、迫るデニムアンドルビーをクビ差振り切り優勝。初GI制覇となりました。

007 3着にショウナンパンドラで菊花賞以来のトーホウジャッカルが4着。GI馬ヌーヴォレコルトが5着。ラキシスは予想外に重目残り(2走続けて10K→10K増の478K)が応えた印象で8着。残念でした。カレンミロティックは出遅れが致命傷。本来の先行力を見せることが出来ませんでした。

008 009 それにしても、ゴールドシップはブービーの15着に惨敗。ゲート入り直後は落ち着いていたものの全馬がゲートに入った一瞬の静粛に、後ろ脚で立ち上がり、一旦、戻って再び後ろのゲートにモタれかかるように立ち上がって、まるで走行を拒否するようなポーズ。大きな出遅れでファンをガッカリさせました。

円熟期に入って来たゴールドシップ。ここ2戦の彼の行動はまったく解せません。今年のAJCCで格下相手に7着に惨敗した前科があるものの天皇賞、宝塚記念のスタート時の異常行動は意味不明です。

ひょっとして、走りたくない何かがあるのでしょうか。今年は過去2年と違ってAJCCからのスタート。宝塚記念を制した過去2回は、その年3走目が宝塚記念。今年は4走目。さらに春の天皇賞で5着、7着だったときが宝塚記念優勝。この辺の体調的な何かがあったのか、それともメンタル面で萎縮しているのか、ゴールドシップが話せないだけに藪の中です。

010