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カンペキ!という言葉がピッタリのM・Dベルカント!!


010 それは圧倒的な強さを見せつけた横綱相撲でした。それにしても、1番人気に推されたベルカントは、今年に入りシルクロードS12着、コーラルS13着。そして前走のCBC賞は取り消し。もう散々の成績だったのですが、初めての新潟・直線の1000mにもかかわらず堂々1番人気。これには正直ビックリさせられました。

1番人気ということなら昨年のアイビスサマーダッシュを圧勝したセイコーライコウのほうが、シルクロードS3着、韋駄天S5着、函館スプリントS4着と、近走の実績から見てもこちらが上だと読んでいましたが、結果的にさすがにファンの方の“読み”は、深いものがありました。

さて、注目のスタートです。ここで、実況アナはスタートの良し悪しが見づらく、まるで逆のことを発声しています。

002 ベルカントが好スタート!とは、実は隣のセイコーライコウが好発馬。スタートが甘かったのがサカジロロイヤル、リトルゲルダ、ヘニーハウンド、シンボリディスコ。レンイングランドも一息でした。

仕掛けてエーシントップ、外にベルカント。間からヘニーハウンド。内からサカジロロイヤル、外からレンイングランドが二の脚を利かせて上昇。リトルゲルダがどうしたのか内に切れ込んで行きます。

003 004 大外のベルカントが少し手綱を引き位置を下げ、内のシンボリディスコと間をあけて並ぶような形で追走。セイコーライコウはついて行くのに苦労した様子で中団より後方に下げます。

そして前半の3ハロンを32秒5で通過。先頭はエーシントップ、その内にピッタリとヘニーハウンド。差し追い込みタイプが戸崎騎手で積極策です。エーシントップの外からレンイングランドが馬体を並べて来ました。その外にはベルカントが虎視眈眈。その後ろがアースソニックで少し遅れてセイコーライコウ。 エーシントップの後ろからシンボリディスコが迫っています。その内にサカジロロイヤルと、フレイムヘイローが懸命に追っています。

005 006007 そして、ラスト200m。42秒6で通過し、先頭はヘニーハウンドで外からシンボリディスコ、その外にベルカントが進出。ここから満を持していたベルカントのM・デムーロ騎手が追い出しをかけました。するとラチ沿いをサッーと先頭に立ち、一気に後続を突き放し横綱相撲。終わってみれば2馬身差のワンサイド。手綱を抑える余裕でゴールイン。

好位置をマークしたシンボリディスコがしぶとく食い下がり、内から伸びたアースソニックを振り切って2着を確保。セイコーライコウは大外から追い上げてきたのですが、迫力が感じられず、最後は前の馬と同じ脚色で4着。 一昨年3着のリトルゲルダはスタートのモタつきが応えたか5着。ヘニーハウンドが6着、3番人気のレンイングランドがジリ貧の8着でした。

勝ち時計は54秒1ですが、ビッシリと追っていれば53秒台。一昨年の優勝馬ハクサンムーンが54秒2、昨年のセイコーライコウが54秒3。時計的にはほとんど変わりありませんが、内容的にはベルカントのレベルの高さが際立っていました。

もっとも、騎乗したM・デムーロ騎手の心憎いばかりの騎乗。ピッタリと折り合いを付けて、スパートすべきところでラストスパート。外枠の良さを如何なく生かした騎乗法。実に見事でした。さすが世界トップクラスの名ジョッキー。若い騎手たちの良い手本になる騎乗です。

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ベルカントの次戦は小倉を予定しているようですが、いくら暑さに強いタイプでも猛暑の中での力走。先々のGIスプリンターズSを見据えた場合、どうしても疲労残りが気がかりです。