オークストライアルのフローラS。3着までに入ればオークス出走権。ほとんどが1勝馬で、2勝馬が3頭だけ。その3頭の中の1頭、1番人気に推されたサンテミリオン。騎乗者はこの日、4勝と荒稼ぎの横山典ジョッキー。フラワーCでも1番人気に支持されて中団から良く追い上げたものの届かず3着。来るオークス出走には何が何でも優先出走権獲得は必須。
ところが、サンテミリオンは東京芝2,000mの15番枠。明らかに不利な条件。逃げると思われた馬が5番枠のアグネスワルツ1頭。これはスローになる、と判断したのでしょう、最初の2コーナーのところで、スーと2番手の外に進出。正攻法策で臨みます。横山典騎手は後方に控えて、前の馬に楽をされるより、サンテミリオンの力を信じて、というより勝てるという確信があったはずです。そこで前に出るほうが賢明と判断したのかも知れません。結果的にもこれが大正解でした。
賢明に逃げ込みを計ろうとするアグネスワルツ。馬体を併せて抜け出そうとするサンテミリオン。ラスト3ハロンは11秒台の決着。ゴール寸前でアグネスワルツがギブアップしたところで、サッと抜け出して1馬身差の快勝。優勝タイムの2分0秒2は過去10年で最速タイム。オークス本番が楽しみになりました。横山典騎手は「逃げた馬がしぶとくて苦労したけど、こんな競馬ができれば本番でも本当に楽しみだよ」と意識はオークスに飛んでいました。
また、2着に敗れたアグネスワルツは「勝った馬にピッタリ後ろでマークされてしまったからね。でも、なかなか根性をしているし、距離も問題なかったよ。久しぶりの競馬だったけど、息遣いも良かった」と、柴田騎手。前年以来の実戦で過去10年、上位3着に入った馬はゼロ。それゆえ、この2着はある種の快挙。オークスでは侮れない1頭になりそうです。
好位置で前の2頭に迫ろうとした2番人気ブルーミングアレーは、前を捉えようとする鋭さが今ひとつ見られませんでした。インコースを通って追い込んできた私の◎アスカトップレディも、この速い上がりではジリジリとしか映りません。
そんな中で、出遅れて最後方から直線一気策を狙ったアマファソン。ゴール前で大外からひと際抜きん出た末脚で上位に迫りましたが、ブルーミングアレーに頭差まで詰め寄ったところでゴール。ラスト34秒1は出走メンバーの中で、飛び抜けた破壊力でした。それゆえ3着まで優先出走権のかかったオークス出走権。喉から手が出るほど欲しかったはずです。
今週もオークストライアルの「スイートピーS」。2着まで入れば権利獲得。サンテミリオンに続く新星は現れるのか、大いに注目したいところです。
おお、と感嘆!職人・横山典騎手の勝負勘に脱帽!!
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