神業かR・クエストは第二のハープスター再来という声!!
それはスタンドで見ている観衆の度肝を抜きました。1頭だけ別次元で走っている馬がいたのです。出遅れて最後方にいたこの日の1番人気ロードクエストがそれでした。 新潟競馬場開場50周年。記念すべき今年の「新潟2歳ステークス」は、一昨年の優勝馬ハープスターのようなスターホースが飛び出すかも知れないということで、今年も大きく注目されました。 とりわけ1番人気に推されたロードクエストは、春の東京のデビュー戦で直線大外から豪快に一気差し。ラスト33秒2で一気に突き抜けたのです。 その性能、ポテンシャルの違いから衆目の一致するところとなりましたが、雨が降った馬場コンディション。キャリア2戦目の2歳馬。全幅の信頼は危険かも、と言う思いもあって、単勝は3.6倍と比較的他の馬にも票が流れていました。 ところが、そんな不安はまったくの杞憂に終わったのです。それも観ている観衆の度肝を抜く、まさに次元の違う器の大きさを見せつける結果となったのです。 スタートでデビュー戦と同様にダッシュがつかず最後方。2番枠ということもあって馬群の最後方のインでのんびりと追走。 主導権を取ったのが3番人気の評判馬ルグランフリソン。前半3ハロンが35秒4で、半マイルが47秒6。スローな展開で流れて行きます。ウインミレーユが直後の2番手グループ。好位置に外から進出してきたのがウインファビラス。ペルソナリテが中団の外。その内にはトウショウドラフタ。後方には外に2番人気のヒプノティスト。その内側にはマコトルーメン。その直後、最後方にガッシリと手綱を抑えたロードクエスト。 ほぼこの形で流れて4コーナーに向かいます。先頭はルグランフリソンが快調に逃げ脚を伸ばして行きます。ロードクエストは最内を一番後ろ。スローなので楽にピッタリ張り付いている展開です。 直線に入ってやや進路を内からコースの中程に出したルグランフリソン。各馬は馬場状態を考慮して中から外へ、花が開花するようにサーッと広がりました。ガラッと開いたインコース。そこをタニセンビクトリーが1頭だけ押し上げてきました。 そのときでした。ポッカリ開いたインサイドから最後尾にいたロードクエストが、手綱をほとんど抑えたままの状態で浮上。進路を外に取った他馬を右手にチラリと見た田辺騎手。追ったところなく2番手に内から頭をのぞかせてきました。 ラスト200mのハロン棒を確認するかのように、田辺騎手がゴーサインで手綱を動かすと、それに応えてロードクエストが反応。見事なギアチェンジで一気に先頭に立つと、2番手以下をあっという間に突き放しにかかります。1馬身、2馬身、3馬身と差を広げると、田辺騎手は勝利を確信して、追うことを止め流しながらゴールを駆け抜けて行きました。 結局、2番手のウインファビラスに、堂々4馬身差のワンサイドレース。それも余裕綽々のゴールでした。この圧倒的な強さに度肝を抜かれたファンは、目を丸くしながら“おお、スゲー!”と口を揃えてその英雄を迎えました。 時計が稍重馬場で1分33秒8、自身のラスト3ハロンが32秒8。それはまさしく神がかり、異次元の破壊力でした。 異次元と言えば、あのハープスターも度肝を抜く圧巻のレース。直線大外一気で余裕の独走。強烈なパフォーマンスはファンの脳裏に深く残りました。ハープスターは翌年秋には凱旋門賞に挑戦。ゴールドシップ、ジャスタウェイを相手に日本馬最先着という力走を見せたのです。 ロードクエストにはハープスターが成しえなかった世界最高峰の頂点を、是非目指して欲しいものです。いずれにしても大変な馬です。 2着はウインファビラス、3着がマコトルーメン。ロードクエストは父がマツリダゴッホ。ウインファビラスはステイゴールドが父。3着マコトルーメンダイワメジャー。4着ペルソナリテはステイゴールド産駒。いずれもサンデーサイレンス一族が上位を独占したのです。
Category: 競馬 /