私は開幕週の高速馬場ということを踏まえて、昨年の
マイルCSで5着、1分31秒9で走り抜けた
エキストラエンドに白羽の矢を立てたのでした。今年の
安田記念にも駒を進めて、出遅れ、不利な17番枠という厳しい条件の中で、1番人気の
フィエロとは0秒3差の僅差だったことに着目。加えて、今週の栗東CWコースで出色の動き披露。追い出してグッと重心が低くなる走法は、間違いなく好調時のそれという感触に取りました。
エキストラエンドから総流しだ!というくらいの強気の気持ちです。枠順も8番枠でラッキー。これなら1番人気のアルビアーノを直後でマークしていけるかも知れない。私の
エキストラエンドに賭ける思いは広がって行きます。

スタートと同時に内からしごいて
ケイティープライドが主導権にこだわります。そして1番人気のアルビアーノが前を捉えんばかりの勢いで2番手に進出。その外には
コスモソーンパーク。ハンデ頭
レッドアリオンも先行態勢。最内には
スマートオリオン。その外へ
エキストラエンド。
吉田隼人騎手がしごいて好位置を確保。馬体を併せるように外から2番人気の
ダローネガ。中団内を
アルマディヴァンで、外には3番人気のグランシルク。プレイズアトレイルがインをピッタリ。外にはヤングマンパワーとショウナン
アチーヴ。そして
シャイニープリンス、最後方には
フラアンジェリコ。

前半の3ハロンが35秒4、半マイルが47秒0で、1000m通過が58秒7。開幕週の良馬場のマイル
重賞としては、明らかにゆったりした流れで進みます。それゆえ先頭から後方まで比較的詰まった展開でした。

1000m通過地点からギューと固まった展開で、外に持ち出した馬もスパート態勢。そして4コーナーで動きが激しくなります。抜群の手応えのアルビアーノが先頭の
ケイティープライドを捉えて、直線先頭に立ちました。それをピッタリとマークしていた同じ青色帽色の
エキストラエンドがすかさず続きます。それを見て背後にいた
福永騎手のグランシルクが前を追います。

アルビアーノを目標にしていた
エキストラエンドが、内からアルビアーノに馬体を併せに行き、今度はアルビアーノに変わり
エキストラエンドが先頭。それを背後で見ていたグランシルクが猛然と襲い掛かります。態勢はこの3頭で決したようなイメージがありましたが、坂を上がってから局面が一転。坂を上がると外から猛然と伸びてきた
フラアンジェリコ、引き連れるように大外からヤングマンパワー。そこにはショウナン
アチーヴ、それらに挟み込まれる形で
ダローネガがいます。
そして先頭のアルビアーノに内から並びかけた
エキストラエンドが、一気に先頭に立ちすぐ目前に迫っていたゴールを目指しましたが、ドラマは終わりませんでした。ゴール寸前で外の
フラアンジェリコの末脚が勢いよく内の
エキストラエンドに並んでいました。

なんと結果はハナ差で
フラアンジェリコが1着。初
重賞制覇となりました。惜しい2着が
エキストラエンド。大外から迫ったヤングマンパワーが3着で、アタマ差で続いたグランシルク。

1着から7着のアルビアーノまで、僅か0秒1差という激しい、まさに大接戦のミクロの戦いでした。ハンデキャッパーも見事。横一列の劇的な叩き合い。これぞハンデ戦ならではの醍醐味がありました。
それにしても、◎
エキストラエンドでしてやったりと思えたのですが、寸前で手の中の魚に逃げられた思いです。相撲に勝って勝負に負けた、とはこのことでしょうか。
