ショウワモダンは奇跡の馬でしょうか?! 好スタートを決めて、中団待機から直線外に出して力強く抜け出しました。6歳にして初GI勝ちの大金星。それも、芝のマイル戦で17戦も走ってきて、18戦目で自己ベストを1秒も上回る1分31秒7の快走。
驚いたのは、今年に入ってから7戦目。それまでの安田記念・過去10年、日本馬で連対した16頭中、ほとんどの14頭が年明け1~3戦のキャリア。しかも、前走のメイSから中1週で挑戦。そんな臨戦過程で優勝した馬はゼロ。2着もいなければ3着もゼロなのです。明らかに無謀な挑戦だったのですが、今回の勝利は歴史を変えるほどの奇跡的な優勝だったのです。
後藤騎手は「この前のメイSのときに感じた疲れのようなものは、今回はまったくなかったですね。むしろ自信を持って臨めるくらいの状態でしたよ。雨が降ってくれたらベストだったのですが、まあ、密かに一発を狙っていました。自分としてもベストの乗り方ができたし、最高の気分です」続けて、
「8年前にアドマイヤコジーンでこの安田記念を優勝したときに比べると、また違った意味で嬉しさがありますね。とにかく嬉しいです」と、満面スマイル。
惜しかったのはスーパーホーネット。私の本命でした。安田記念は4度目の挑戦! 過去3回はいずれも凡退。一昨年は1番人気でした。ところが、この3年に通じるのは安田記念の前哨戦で、すべて優勝していることだったのです。過去に連勝したことが1度しかなく、全力投球型で、いわゆる2番が利きづらいタイプだったと考えました。とすると、今年は前走のマイラーズC・2番人気で9着。もっとも、このときは直線でキャプテントゥーレと接触するような 不利。そこから脚がピタッと止まってしまったのです。これは考えようによっては安田記念にスタミナを温存できたのではないか、全力で走っていないぶん安田記念はパーフェクト走が期待できる、と考えたのです。今年3戦目、ベストのマイル戦、ウオッカを破った東京芝、良馬場の芝で大変身が期待できると、私、6番人気のスーパーホーネットに穴党の胸騒ぎがするのでした。
レースは外から絞られる形になって、向う正面では後ろから4番目。それでも、この位置取りは、早目に先頭に立つと、ソラを使って止めてしまう最近の悪癖を考えた藤岡佑騎手、苦心の騎乗でもあったのです。
前半が33秒6-44秒9-56秒3。かなり速い流れで展開して、ラスト1ハロンが12秒4と、ほとんどの馬がもがき苦しむ厳しい競馬。大外から満を持したようにスーパーホーネットが伸びてきましたが、最後は息切れ状態。半馬身差まで詰め寄ったところがゴールでした。
「惜しかったです。本当に惜しかったです。あそこまで来るのだから勝ちたかったですねー。具合も良かったですし・・。う~ん、運がないのかなあ?こうなったら秋のマイルCSで初GIを取らせて上げたいですね」と、無念の藤岡佑騎手。
「夏は函館と札幌で頑張ってきまーす」と、最後は二コっとして自転車に乗り戻って行きました。
1番人気のリーチザクラウンは好位追走から直線でズルズル後退。どうも気性に問題があって、それが今回は出てしまったような印象です。それに外から被せられると、気持ちが萎縮してしまっているようです。内枠は禁物です。夏にこの精神面を鍛え上げないとGI制覇は厳しいかも知れません。