プレッシャーに打ち勝った浜中Jのラブリーな一日!!
勝者は「責任を果たすことが出来て良かった。ホッとしています」と、ふっと息を吐きながら白い歯を見せました。 「天皇賞」は秋晴れの下、古馬の実力者が集結して行われました。なかでも多くのファンの目は宝塚記念を制したラブリーデイ、前哨戦の毎日王冠で優勝し、目下3連勝中のエイシンヒカリに注がれました。 とくにラブリーデイは主戦騎手の川田騎手が騎乗停止中で、急遽、バトンが渡ったのが浜中騎手。ミッキークイーンで秋華賞を制して、乗りに乗っているジョッキーの一人。 とはいえ、2年前の皐月賞でラブリーデイに騎乗し、折り合いを欠き15着に凡退している過去がありました。浜中騎手にとっては大一番に圧倒的な人気を背負い、絶対勝つことを使命として、それを背負うには不安もあったはずです。 おそらく当面の敵のエイシンヒカリが逃げるだろう、その直後で競馬をさせたい、浜中騎手の頭の中には、そういった映像が浮かんでいたはずでした。 ところが、先手を取ったのが内からクラレント。武豊騎手のエイシンヒカリは無理に競り合うことを嫌い2番手に控えます。3番手にカレンミロティックが当然のように進出。 エイシンヒカリが控えたことにより、前半3F36秒4、半マイルが48秒6、そして1000mが60秒6。過去10年でも相当遅い流れで展開します。 そのためラブリーデイは遅いペースに引っ掛かり気味。背中を丸めて懸命に手綱を絞る浜中騎手。遅い流れで外からサトノクラウン、ワンアンドオンリー、ヴァンセンヌが並びかけて来ました。 4番手で最内を進むラブリーデイの真後ろにディサイファ、外にアンビシャスとステファノス。その直後で外をまわるイスラボニータ。その後方にはショウナンパンドラ、昨秋の天皇賞馬スピルバーグ。 このままの形で先頭から後方まで一団の展開。直線ピッタリと内を先頭で走るクラレント。その外に馬体を並びかようとエイシンヒカリ。それを直後でじっくり見ているラブリーデイ。サトノクラウンも続きますがアンビシャスが接近。 ラスト200m手前で仕掛けてクラレント、エイシンヒカリを捉まえに出るラブリーデイ。アンビシャスと中を割ってイスラボニータが続きます。そして、坂上からスパートをかけたラブリーデイが先頭に立ち、後続を突き放しにかかります。 そこへアンビシャス、イスラボニータの外からステファノスが猛然と追い上げてラブリーデイに迫ります。また大外からショウナンパンドラが強襲。 懸命にしごく浜中騎手のラブリーデイ。ステファノスが迫ったのですが、半馬身差届かず2着。イスラボニータ内のアンビシャス、外から追い込んだショウナンパンドラの写真判定はハナ差でイスラボニータが3着。 さすがにスローでラストが34秒0という決め手勝負の展開。早めのスパートで何とか凌ぎ切った浜中騎手。さぞかし安堵の気持ちだったことでしょう。 「急遽の乗り替わりでしたが、その責任を果たせて良かったです。考えていたポジションで競馬ができました。前半、行きたがって苦労しましたが、本当に良く我慢してくれました」と、穏やかな表情でコメントしていました。 一方、ラブリーデイのライバルだったエイシンヒカリは9着。スローでも2番手で折り合えたものの追ってから鋭い反応はなし。さすがに控えて決め手の勝負は厳しいようです。次は先手にこだわるかも知れません。
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