天皇賞が大変です。というのも、先週の阪神大賞典、天皇賞の前哨戦でしたが、優勝したのが、2番人気のアイポッパー。圧倒的な人気に支持されたドリームパスポートは頭差で2着。外から追い込んだトウカイトリックが首差で続く3着。また首差でデルタブルース。なんと勝ったアイポッパーから0秒1差で4頭がどっと入線。大激戦の阪神大賞典でした。
昨秋の菊花賞でレコード決着の2着、ジャパンCでディープインパクトの2着、大きな不利があった有馬記念が4着。今年4歳のドリームパスポートにとっては、迎える春の天皇賞は堂々たる主役でなければならなかったはず。
ところが、前半、折り合いを欠いて安藤勝騎手が御するのに苦労している様子。しかも2番手追走だったマイソールサウンドの外に出すと、かーっとして完全に引っかかる仕種。
結果的に早めに先頭に立ち、これをピッタリとマークしたアイポッパーに差し込まれてしまいました。それにしても、59㌔を背負って4着だったデルタブルースと、57㌔で首・首差。更に1F延びる本番の天皇賞は大丈夫か不安になってきます。
阪神大賞典が写真判定になったのは、最近では一昨年のマイソールサウンドが優勝したとき。首・鼻差で1番人気アイポッパーと3番人気リンカーン。この直後の天皇賞はスズカマンボとビッグゴールドで大波乱となりました。
とすると、今年も第三勢力の馬が不気味です。今週は中山で日経賞が行われます。このレースに出走予定があるマツリダゴッホ、ネヴァブション、トウショウナイト、インテレット、エリモエクスパイアの動向から目を離せません。
最強のオークス候補です
私のブログでも以前に書きましたが、注目のベッラレイアが桜花賞の最後の砦と選んだフラワーC(想定通り)を、なんと無念の除外。その前はアーリートンCを除外されて、仕方なく牡馬相手のОPすみれS2200㍍に挑戦。1番人気のディープインパクトの弟、ニュービギニングには先着したものの超スローペースで、最後方から追い込んで3着。首・1馬身差届きませんでした。それゆえ、桜花賞出走にはフラワーCに出て、1、2着が最低条件だったのです。
そして、仕方なく選んだのが自己条件の中京、あざみ賞。1・7倍という圧倒的な人気で、15頭番目の最後方を追走。4角で大外に出すと、まさに次元の違う強烈な脚勢で一気に突き抜け、瞬時に先頭に立つと、余裕を残して圧勝。このときのラスト1Fが11秒4。それを楽々上回る神業的末脚、もの凄い破壊力です。
東京の2400㍍オークス。そう、あの広い直線で震撼させるようなドラマを期待してみようではありませんか。
高松宮記念は高齢馬伝説を作るか!
今年のGⅠ高松宮記念は大混戦の様相。本来、中心的存在になるのがシーイズトウショウ。ところが、昨年の香港スプリントで大惨敗。それ以来、ここがいわゆる、ぶっつけ本番。
そこで、直前の阪急杯を制して(同着)波に乗るプリサイスマシーン。とはいえ彼も8歳馬。過去10年、8歳馬の連対はゼロなのです。この時期に定着してからはひとつ下の7歳馬もブラックホークが6年前に2着あるだけ。人間でもマラソンレースでは高齢の選手が活躍することはあっても、一般に短距離の世界では厳しいことが現実。
とすれば、8歳馬プリサイスマシーンは大丈夫なのか、それに彼は1200㍍の6F戦が2回だけしか走っていないのです。成績は4、9着。もっとも、4着は、昨年の高松宮記念でのもの。適性がないとはいえませんが、6F戦で連対したこともない馬が、GⅠの6F戦を勝てるのでしょうか。
持論ですが、このプリサイスマシーンはベストが1800㍍だと考えています。芝1800では中日新聞杯をレコード勝ちして以来、使われていません。毎日王冠ではテレグノシス、ローエングリンといったトップクラスと、接戦したことを考えると、どうしても6F戦は不安が先にたちます。
ただ、勝ち負けは相手があってのこと。当面の相手のそのときのレベルや、何らかの事情、馬場状況等で相手が走らないケースもあるわけです。いろいろな観点からも、プリサイスマシーンの高松宮記念は注目されます。