
今年最後の砂の王座決定戦「チャンピオンズカップ」は、伏兵の牝馬
サンビスタがゴール前で力強く抜け出し快勝。
サンビスタは12番人気と評価は薄かったのですが、中団の内々を追走し、直線抜け出した
ホッコータルマエを、外から並ぶところなく捉えてGI初制覇。牝馬では初めてのチャンピオンズCの優勝。歴史的瞬間でした。
サンビスタは直前の大井競馬場、JBCレディスクラシックに出走。絶好のポジションから
ホワイトフーガの2着。牝馬相手に5馬身差も離された内容に騎乗した
岩田騎手も肩を落としていました。
それゆえ牡馬の
トップクラスが揃ったチャンピオンズCにおいて、定量戦で快勝するとは衝撃的でした。
どうしてそんな結果を生んだのでしょうか。振り返ってみましょう。1番人気はJBCクラシックを圧勝した
コパノリッキー。ここにコーリンベリーが参戦。こちらはダート1200mで持ち前のダッシュ力を生かして、そのまま押し切るタイプ。今回も主導権を取って行くだろう、でないと出走した意味がない!私はそう考えました。

ところが、一番のスタートで飛び出しながら、内からじんわりと
コパノリッキーが来ると、
松山騎手はどうしたのか手綱を絞って控えます。何故?おそらく
武豊騎手の
コパノリッキーに遠慮したと、私は考えました。「どうせ勝てないのだから、邪魔をするのはやめよう!」そんな思いが
松山騎手にあったとしても不思議はありません。
それを見た外の
クリノスターオーが一気に浮上。並んで先頭に立ちかけそうな勢い。さらに、その外から香港のガンピットのバートン
騎手がシゴいて先行態勢。
ホッコータルマエは
コパノリッキーが目標で好位置をキープ。いつでもスパートできる態勢。
前半3ハロン35秒5、過去10年で最速のラップ。半マイル48秒0、厳しい流れとなりました。3コーナーで外から
コパノリッキーの外に
クリノスターオー、その外から
ホッコータルマエが並びかけて来ました。
ホッコータルマエの
幸騎手は
コパノリッキー1頭に目標を絞っていて、早めにリッキーにプレッシャーをかけに出ました。
サンビスタは中団内々で、離れた後方にはロワジャルダン、その後ろが4連勝中の3番人気のノンコノユメ。さらに最後方が5番人気
サウンドトゥルー。

4コーナーを先頭でまわった
コパノリッキー。それに外から続く
ホッコータルマエ。好位に上がって来た
ローマンレジェンド。その背後に続いた
サンビスタ。ここから外に進路を取ります。

最後方からインのラチ沿いにノンコノユメ。最後方の
サウンドトゥルーは内からコースを横切る形で大外に出しました。すぐ前にはロワジャルダン。

直線中程で
コパノリッキーを捉えた
ホッコータルマエが先頭に立ちかけましたが、すぐ外から鋭い伸び脚で
サンビスタ。D・
デムーロ騎手のステッキに応えて、
ホッコータルマエを並ぶところなく捉えて一気に先頭。力強く
デムーロ騎手のガッツポーズと共に、栄光のゴールを駆け抜けていきました。

最内を猛然と追い込んだノンコノユメが2着。大外からケタ違いの伸び脚を見せた
サウンドトゥルーが3着。これにロワジャルダンが続きました。
ホッコータルマエが5着で、
コパノリッキーは7着。1、2番人気馬は共倒れになった印象です。
コパノリッキーは外から終始プレッシャーをかけられた状態。さすがに最後はアップアップでした。
それにしても、前半のペースが1800mに変わった過去7年で最速なのに、勝ちタイムの1分50秒4は物足りません。チャンピオンズCは昨年から中京競馬場に移動。新たなデータがこれから蓄積されますが、GIとしては、考えたよりやや平凡なタイム、ラスト37秒9に牝馬
サンビスタの快走があったような気がします。
