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超スローでも逃げられない馬に、縦長の不思議な展開?!


今年の「中山金杯」は不思議なレースでした。顔ぶれからスローの展開は憶測が付いていたのですが、それにしても、マイネルフロストが主導権を取り、それも2番手以下に5馬身近く離して逃げているのにもかかわらず、前半3ハロンが37秒2という超スロー。過去10年で一番遅い流れ。それでいて先頭から後方まで縦長になる不思議な展開。

005 私はこういったスローを予測して、2番枠と言う絶好の枠を引いたスピリッツミノルの単騎逃げを予測。人気薄の気楽さからノーマークで行けるこの馬の逃げ切りに期待したのですが、騎乗した酒井学騎手は気持ちの上で負けていました。

内から楽に主導権を取って逃げられそうでしたが、これを見た松岡騎手のマイネルフロストが外から先頭に並びかけて来ました。それに萎縮した酒井学騎手は、突っぱねて主導権を主張するのではなく、すぐさま手綱を引いて道を開けてしまった格好となりました。

006 もし、酒井学騎手が迷わず先手を主張すると、マイネルフロストの松岡騎手が2番手に引いたはずでした。この事が結果的に大きなキーポイントだったのです。

先頭に立ったマイネルフロストは、遅いペースをスイスイと2番手以下を離し気味に逃げます。追いかけてはマズいとばかりにスピリッツミノルの酒井学騎手は、懸命に手綱を引いて2番手を確保。

3番手にステラウインドで、その直後にいたのがネオリアリズム。懸命に戸崎騎手が手綱を引いています。それを前に見てヤマカツエースが5番手。ブライトエンブレムが中団。その後ろに入ったロンギングダンサーの外に1番人気のフルーキー。マイネルディーンとライズトゥフェイム後方で併走。最後方にバロンドゥフォール。

前半の3ハロンが37秒2で、2コーナーから向う正面にかけては、2番手以下を5、6馬身離しています。2番手にスピリッツミノル。そこから少し離れてステラウインド。以下ネオリアリズム、ヤマカツエース、ブライトエンブレムと遅いペースなのに縦長の展開。後方フルーキーは動きません。

1000m通過が62秒3。記録的なスローペース。その流れが一気にアップしたのが3コーナー過ぎでした。快調に逃げるマイネルフロストが、11秒台にペースアップ。まさにマイネルフロストの独り舞台のように思えました。4コーナーでも余力を残して直線に向きます。2番手のスピリッツミノルの外に並んだのがステラウインド、その外にヤマカツエースが併せてきます。後ろのネオリアリズムの反応がよくありません。

007 008009坂を上がって先頭はマイネルフロスト。ここからヤマカツエースがグングン肉薄して来ました。その勢いでゴール寸前襲い掛かり捉えたのです。大外から猛然とフルーキーが追い上げて来ましたが、この超スローで後方の位置取りでは致し方なく3着が精一杯。

010 4着はこれも外から伸びたライズトゥフェイム。ラスト32秒6の切れ味はフルーキーの32秒7を凌ぐ鋭さでした。2番人気のブライトエンブレムが6着。スピリッツミノルが7着で、4番人気ネオリアリズムは8着でした。

011 もし、スピリッツミノルとマイネルフロストが先頭と2番手が逆であったら、どういう結末になっていたでしょうか。勝ち馬と0秒4差からスピリッツミノルももう少し際どく粘れたはずですし、あるいはマイネルフロストは優勝していたかも知れません。それはもっと遅い流れになっていた可能性もあり、勝ち馬の仕掛けもあとワンテンポ遅れたかも・・。

012 013 また、人気の一角だったベルーフのレース前の放馬、競走除外は、状態がすこぶる良く見えただけに残念でした。