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或る日の中山


 西田雄一郎騎手の笑顔はとっても素敵だったなあ~

070330  好天に恵まれた或る日の中山競馬場。検量室前に乗り終えた馬具の手入れをしている西田雄一郎騎手とばったり。いつも私と会うと、満面笑みで迎えてくれるのですが、この日も100万$とはいかないまでも70万$くらいの笑顔で「こんにちは~」と、挨拶で迎えてくれました。
 「どう、調子は・・」と私。
 「う~ん、なかなか勝てないですねー。ひとつ勝つことの難しさを痛感しています」と彼。
 西田雄一郎騎手といえば、ジョッキーとして2度デビューする形になった異色。それは自分からまいた社会からの制裁だったのです。
 1995年にデビュー。サクラエイコウオーで七夕賞を優勝。まさに嘱望視された騎手でした。
 ところが、1998年、交通違反を犯し、再三の要請にも出頭しなかったことから、厳罰が加えられたのです。翌年、騎手免許を返上。
 それから、5年に渡り山元トレセンの牧場で働き人間修行。
「ボクにとってはこの牧場での経験が、人生でなんと言っても大きかったですね」と、彼はいいます。
 そして2005年、騎手免許に再挑戦して合格。
「嬉しかったですね~。また夢を追えると・・」
 そして、その年の4月10日、福島競馬場で、騎手免許を再取得してから、初勝利。6年1ヶ月ぶりの勝利でした。
 「やはり、先頭でゴールを駆け抜けた瞬間の快感を求めて、ジョッキーになったボクですから、最高に嬉しかったですよ」と、コメント。
 更に「1頭の馬には多くの人たちが携わっていて、最後の仕上げをするのが騎手だということを、牧場で働いたことにより、改めて考えていました」と語った西田騎手。
 彼がデビューしたころ、元日本バレーボール代表の益子直美さんと「大きな騎手になろう」と、約束したそうです。益子さんがあるパーティーで、私にそう語っていました。
 西田雄一郎、32歳。まだまだ君は若い。応援してくれるきゅう舎があるうちは、それだけチャンスがある。彼の笑顔に、私はそう心でエールを送りました。