
「
阪神大賞典」の次に控えたのが「
大阪杯」。ご存知、もう1ヵ月を切っている「
天皇賞」の前哨戦。3年前、
ジャパンC以来となった
オルフェーヴルが優勝。一昨年は凱旋門賞以来だったキズナが優勝。まさに世代を代表する馬が勝ち上がっています。
今年は人気の中心に推されたのが
ラブリーデイ。昨年は
重賞6勝、
宝塚記念、
天皇賞・秋で念願だったGIを遂に制覇。古馬を代表する1頭に出世。
有馬記念以来でしたが、多くのファンの期待を集めました。
ところが、今回は昨年、ほとんど騎乗していた
川田騎手からM
デムーロ騎手に
チェンジ。
デムーロ騎手にとっては初コンビ。私は
ラブリーデイという馬は、本来、先行タイプと考えています。好位から抜け出すパターンが理想的だと見ているのです。
超スローの展開で仮に中団で控えた場合に、直線でヨーイドンのパターンになると、切れ味が
ラブリーデイよりも勝る馬に遅れる可能性がある、
デムーロ騎手はそのところを理解していないかも知れない。

不安は的中しました。4着に敗れてしまったのです。レース後、
デムーロ騎手はこう言います。
「ペースが遅くて、終始引っ張りどうしでした。勝負どころでもスペースがなくて、動くに動けなかったね。今日は最悪の競馬になってしまったよ」と敗因をコメント。

レースは強力な逃げ馬が見当たらないことから、それではと言うことでキタサンブラックが労せず先頭。これに内から好発のヌーヴォレコルト。外から
マイネルラクリマが2、3番手。ところが、スローを感じとったか
横山典騎手のアンビシャスが外からスーと2番手に進出。
マイネルラクリマが3番手に控えて、内からヌーヴォレコルト。その直後にイスラボニータ、外に並んだショウナンパンドラ。
ラブリーデイはこの後のイン。外にはタッチングスピーチ。離れ気味にレッドイレヴンが後方。
1000m通過が61秒1。完全に超スローの展開でした。3コーナー手前で少しピッチを上げるキタサンブラック。2番手にアンビシャス。そこから後続が離れます。ヌーヴォレコルトに
マイネルラクリマ。直後の
ラブリーデイの外にイスラボニータ。ショナンパンドラが外から並んでいます。タッチングスピーチが後方。
4コーナーを先頭でまわったキタサンブラック。これに続くアンビシャス。後続もようやく差を詰めて来ました。アンビシャスはここでワンテンポ仕掛けを遅らせて、後続の
ラブリーデイの位置を確認。そしてラスト200mからキタサンブラックに急接近。逃げるキタサンブラック。外から並びかけたアンビシャス。後続から直線外をショウナンパンドラが伸びて来ました。
前半のスローペースで余力を残していたキタサンブラック。そしてドゥラメンテを脅かした強靭な末脚の持ち主のアンビシャス。決め手の差でアンビシャスがキタサンブラックを、計ったようにクビ差捉えていました。
ラスト33秒6の決着で追い込んだショウナンパンドラは3着がやっとの印象でしたが、プラス14Kの馬体重。それゆえこの3着は収穫がありました。そして、
ラブリーデイは4着まで。
ラブリーデイには課題を残した結果でもありました。

優勝したアンビシャスは初めて2番手の積極策。
横山典騎手ならではの味のある一戦でもありました。

「2番手だったけどリズム重視で乗ったよ。順調ならきっと大きいところを獲れる馬だと思う」とコメント。
キタサンブラックの
武豊騎手は「アンビシャスがまさかあの位置にいるとはね・・」と、
横山典騎手の奇襲策に脱帽していました。
