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東京マイル戦はタイムトライアルだ!エンブレムの逃走ストーリー!!


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東京の1マイル戦に絶対の自信があったと思われたメジャーエンブレム。ファンの方も良くご存知で、前日から圧倒的1番人気に支持されて単勝は2.3倍。前走の桜花賞4着がなかったかのような熱烈な支持でありました。

この高い支持は、やはり2走前のクイーンCそのものの結果によるところが大です。サッと主導権を取り、余裕で5馬身差のワンサイドレース。時計を見てビックリ。1分32秒5、ラスト34秒7を楽々と叩き出したのです。1週前の東京新聞杯を逃げ切ったスマートレイアーが1分34秒1。ペースの違いはあるものの1秒6も上回るポテンシャルの高さを、ファンの方は忘れてなかったようです。

前走の桜花賞も圧倒的1番人気でしたが、スタートでモタついたことで控える形。内枠でもあり行きたいところで行けず、ジュエラー、シンワライトの決め手の前に屈してしまいました。

この敗戦から逃げ戦法でメジャーエンブレム陣営は決断をしたようです。小細工をするくらいなら思い切って行こう!騎乗したルメール騎手も迷いはありませんでした。

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しかも、東京の高速馬場で4番枠を引き当てた運の良さ。逃げてメジャーエンブレムの力を100%出させる、なにしろ1分32秒5の自己ベストがあるのだから。タイムトライアルの気持ちで強気で臨もう。田村調教師を筆頭に思いは一致していたのです。

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ゲートが開くと真っ先に飛び出したのがメジャーエンブレム。内からシュウジ、外からシゲルノコギリザメが忍び寄って来ましたが、内のシュウジの岩田騎手は背中を丸くしながら必死に手綱を絞っています。シゲルノコギリザメも必死に食らいついている印象。

こうなるとメジャーエンブレムの独り舞台。コンピューターで刻まれたような11秒台のラップを刻み続けます。決してスローには落としません。自分自身で1分32秒台に持ち込むタイムトライアルなのですから。

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半マイルが46秒0で、1000m通過が57秒7。2番人気のロードクエストは直線勝負に賭けて最後方から2頭目。3番人気のイモータルメが当面の目標のメジャーエンブレムを射程圏に好位5、6番手前後。ダッシュがつかなかったティソーナは中団。同じく出遅れたトウショウドラフタは後方グループ。そして私が期待した9番人気ブレイブスマッシュは中団よりやや後ろ。

直線に入っても快調に逃げるメジャーエンブレム。11秒3-11秒5の二枚腰で、2馬身、3馬身と後続との差を一気に広げます。

後続もメジャーエンブレムを必死に追いかけますが、なかなかその差が詰まりません。そのため外を通りたくない馬がひしめき合って、インサイド寄りで激しい叩き合いを繰り広げます。ブレイブスマッシュやイモータルなどは馬体を接触。

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ゴール寸前でさすがのメジャーエンブレムも、やや息が上がって来たところに、大外から満を持していたロードクエストが猛然と強襲。その中を突いたレインボーラインも伸びて来ましたが、メジャーエンブレムがそのまま押し切って見事な優勝。

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時計が1分32秒8、ラストはさすがに35秒1を要したものの強気の競馬をして良かった!鞍上のルメール騎手からは安堵の表情が垣間見えるようでした。