エプソムカップは私が推察した通りの展開でした。比較的前に行けるロジチャリス、ラングレーは東京コースと言うこともあって、好位置で折り合いに専念するはず。
となると、主導権を取って逃げる
マイネルミラノにとっては、まさに願ってもない展開になると推察。楽に先手を取ったときは昨夏の
巴賞の独走、
新潟記念の粘り腰。格別のものがあった馬です。
今回は最大の強敵が、なんと54Kで出走して来る
ルージュバック。実績ピカイチの馬がこの裸同然の斤量。直線で射程圏に入れられたら強靭な末脚に差し込まれる。
マイネルミラノには少し離した逃げで、セーフティリードから押し切りを狙ってほしい。単騎一人旅なのだから、それが可能なはず。
柴田大ジョッキー、頼みます。

ところが、
マイネルミラノは久しぶりの芝1800mだったからか、今一つダッシュ力に欠けてポンと行き切れませんでした。それでも、必死で押して
柴田大ジョッキーは、何が何でもハナに固執。シゴきながら外から先頭に立ちました。

内から
アルマディヴァン、外からスーと
ナカヤマナイトが進出。ラングレーが内で外には
エキストラエンド。ロジチャリスはすぐ後ろ。外に
レコンダイト。そして中団の外に位置する形で
ルージュバック。その背後にアルバートドックがいて、
ヒストリカル、
サトノギャラントが続いて、3番人気の
フルーキーはじっと我慢。
この形で坦々と流れて行きます。前半の半マイル48秒5、1000m通過が60秒5、まさに予想した通りのスローペース。

直線に入ると2番手の
ナカヤマナイトがギブアップ。
アルマディヴァンも
マイネルミラノについて行けません。快調に逃げる
マイネルミラノ。ラスト400mで後続と3、4馬身。そのときでした。直線大外に出した
ルージュバックがもの凄い脚で追い込んで来ました。グングンと
マイネルミラノに迫って来ます。ラスト200mでも2、3馬身あった差が、あっという間に詰まって並ぶところなく突き抜けて行きました。あとは
戸崎騎手が手綱を緩めるように追わずにゴールイン。

内で頑張る
マイネルミラノが粘り切ったか、と思ったのですが、
ルージュバックを追うように
フルーキーが鋭く伸びて、内外開きながら同時にゴールイン。結果は追い込んだ
フルーキーがクビ差先着。2番人気のロジチャリスが好位で展開したにもかかわらず破壊力の違いで4着。
◎6番人気の
マイネルミラノは
柴田大騎手が完璧な騎乗だったにもかかわらず、最後はGI級の切れ味に屈した印象です。欲を言えば、もしスタートでポンと出ていれば、2着はあったような気もします。

それにしても、もの凄い切れ味を見せつけられた
ルージュバック。ラスト32秒8という神がかり的な破壊力でした。おそらく今後は2000m前後の中距離路線を歩むことになりそうですが、やはりこの伝家の宝刀的パンチ力は、GI戦線に向かう上で、大きな武器になりそうです。
さしずめ
秋の天皇賞!という声も関係者から出ています。
