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昨年よりも3秒近く遅いタイムに衝撃の結果!!


 昨年の菊花賞は8番人気のスリーロールスが、7番人気のフォゲッタブルの強襲をハナ差退けて念願のクラシック制覇。大波乱となりました。当時の優勝タイムが3分3秒5で例年よりも速い時計。
 さて、今年は直前にダービー馬エイシンフラッシュが筋肉痛で急遽出走を回避。そこでローズキングダムに人気が集中。単勝支持率は2・1倍。この人気を背に2度目の騎乗となる武豊騎手が、どう乗りこなすかが注目されました。
 私の予想はレーヴドリアン。対抗はヒルノダムールで、ローズキングダムが▲。本命のレーヴドリアンは京都外回りでは2戦し、きさらぎ賞で首差2着。更に京都新聞杯で3着。2戦とも出遅れてラスト34秒1、33秒9のメンバー最速の破壊力を披露。外回りで4角では内外横いっぱいに広がる形になると、内枠を引き経済コースを走ってきた馬が、開いた内から一気に抜け出す可能性がある。2番枠のレーヴドリアンにはそれが出来るはずだ、と考えました。
 松田博師は「スタートで追い出して行く。これで前に壁をつくれれば折り合いが付く」とコメント。スタミナは血統的背景からも問題なし。ダービー時が456Kで神戸新聞杯が470K。馬体回復と共に成長も大。ワクワクする1頭でした。
レースはコスモラピュタが2コーナー手前から後続と差を広げて大逃げの形。2番手がカミダノミ。その後にビッグウィークで直後にビートブラック。さらに今回は5番手インに珍しく好スタートを決めた◎レーヴドリアン。これまでとは一転したレースにドキドキ状態。中団にヒルノダムールで、それを前に見る形で外目を走るローズキングダム。どうしたのかトウカイメロディは、やや追走の動きがにぶい印象。最後方グループに追い込み策のクォークスター。
 前半5ハロンが61秒0で、2000m通過が2分5秒5。さすがにマラソンレースで遅い流れ。とくに後続馬は明らかな超スロー。例年の菊花賞のように3コーナー過ぎから各馬は始動開始。それでも大きな差をつけて逃げるコスモラピュタ。
 4コーナーで2番手にいたビッグウィークが急追して、これにビートブラックが続きます。このとき我がレーヴドリアンはインサイドに気を遣ったのか、スーと行けず順位を下げましたが、手応えはバッチリ。福永騎手は振り返って「絶好の位置取りでした。もっと早目に動くはずでしたが、4角で動くに動けなかったのが誤算でしたね。インを回っていたので仕方ないところもありますけど、仕掛けてもすぐにトップスピードに移らないんですよ」と、レース後に悔しがる福永騎手。
 直線で先頭に立ったビッグウィーク。しぶとく粘るビートブラック。そこを目がけて外からローズキングダム。インからようやくエンジンがかかりだしたレーヴドリアン。一方ヒルノダムールは勝負どころで前が壁になり動くに動けず、直線も前が壁で、ようやく脚が使えたのがゴール寸前。
 そういった後続馬の事情もあって、ビッグウィークが川田騎手を背に押し切り菊花賞馬の栄冠を手にしたのです。ローズキングダムがビートブラックを首差捉えて2着。内からレーヴドリアンが伸びて4着。トウカイメロディが6着、ヒルノダムールが7着でしたが、勝ち馬からわずか0秒4差の接近戦。
 馬単が7440円。3連単が33万8840円。神戸新聞杯でローズキングダムから3馬身差も離されたビッグウィークの劇的な優勝。6戦目で未勝利勝ち。ダービー時は未勝利クラスを走っていたわけで、6月から京都、阪神、小倉、阪神、京都と休みなく走って菊花賞を制覇。大変稀有な1頭でした。菊花賞のデータも書き換えなければならなくなりました。
 3歳トップクラスだけの戦いは菊花賞で終了。これからは古馬戦線に組み込まれますがまだまだ波乱のドラマを巻き起こしてくれそうな3歳馬たちです。