歴史的敗北だったドゥラメンテの光と影!!
宝塚記念が終えた3日後の6月28日、JRAを通じて衝撃的ニュースが飛び込んできました。 「ドゥラメンテが競走能力の喪失で引退!」 単勝1.9倍という圧倒的人気に支持された宝塚記念。前日の雨が嘘のように晴れ上がった阪神競馬場。それでもたっぷりと水分を含んだ馬場コンディション。高速馬場に慣れたドゥラメンテが、これをどう乗り切るのか、秋の凱旋門賞を目指す主役にとっては、ひとつの宿題でもあったのです。 おそらく、中山記念を勝ち上がったときのように4、5番手の位置取りで、ライバルのキタサンブラックを常に射程圏に入れてレースを運ぶに違いないと、私は推察していました。 ところが、いくらかスタートが甘かったとはいえ、みるみるうちに後方に置かれて行きます。結局、後方4番手というポジション。渋った馬場で内回り。この位置で大丈夫なのか。 主導権を取ったのは予定通りキタサンブラック。ワンアンドオンリー、トーホウジャッカル、内を引っ張り切れない勢いでアンビシャス。カレンミロティック、外にサトノノブレスが続きます。内にシュヴァルグラン外にラブリーデイ。ステファノスとラストインパクトが併走。その後ろが内にフェイムゲーム、これに並ぶマリアライト。ドゥラメンテは2、3馬身離れて追走。外からサトノクラウンが並んでいます。ヒットザターゲットは例によって後方グループ。最後方にはヤマカツエース。 前半が34秒7、半マイル47秒0、5ハロン通過が59秒1。馬場コンディションを考慮するとマズマズのペースです。逃げるキタサンブラックにとっては一人旅状態でしたが、後続のアンビシャスなどが引っかかる感じで追走。このままの形で4コーナー。内から逃げるキタサンブラックに迫って来たのがサトノノブレスとラブリーデイ。そしてステファノスと一番外からマリアライトが進出。 そして、ドゥラメンテもサトノクラウンの内から外へ出そうとして、前を追いましたがいつものグーンと言う伸びはなくジワジワと詰めます。 先頭はキタサンブラック。ラブリーデイが外から詰めます。その間からステファノス。先頭のキタサンブラックが押し切るか、とも思えたのですが、一番外のマリアライトの伸びが良く、キタサンブラックに並びかけます。 そのときでした、大外に出したドゥラメンテにようやくエンジンが全開。もの凄い勢いで迫って来ました。内からキタサンブラック、間にマリアライト。外からドゥラメンテ。脚色は断然ドゥラメンテでしたが、間のマリアライトが強襲したドゥラメンテをクビ差振り切ってゴールイン。 皐月賞、ダービーと圧倒的な強さで勝ち上がったドゥラメンテ。長期休養明けの中山記念でも堂々1番人気に応えた歴史的な大器。無事なら秋の凱旋門賞で日本馬初の栄冠の期待が膨らんだドゥラメンテ。 ゴールイン後、Mデムーロ騎手が下馬して、首を捻りながら深刻な表情で戻って来ました。 「直線はずっと左手前で走っていた。影響があったのかも知れない」と、不安な表情は崩していませんでした。 ラストランはドゥラメンテらしい勝ちっぷりで決めて欲しかった、ファンの皆さんも思いは同じだったはずです。早すぎる引退に肩を落としている方もきっと多いのではないのでしょうか。
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