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どちらの世界も年増女のここ一番は強いなあ。小兵がビックリの重賞2連勝!!


008 競走馬の世界では6歳牝馬も、春が過ぎて夏になると、引退という二文字がチラつき始めます。牝馬は3、4歳時が最盛期で、徐々に下降線を辿るのが、一般的な常とされています。

とくに条件止まりでパッとしなかった年増の牝馬が、そろそろ繁殖にという声が出てくるのは当然のことです。

おそらく6歳牝馬マコトプリジャールにとっても、同じような境遇にあったと推測されます。それが春の福島、福島牝馬Sでブービーの15番人気ながら、1番人気のシャルールを破って初重賞勝ち。ここから厩舎側の思いが変わったと思われます。もう1年やってみようか!

とはいえ、400kのあまりにも小柄な馬体。バリバリのオープン馬を相手にしては、やや心もとない印象はありました。ところがマコトプリジャール自身、まわりの不安を一掃させる大人の成長を見せていたのです。

  そして、今回の札幌開幕週を飾る「クイーンS」に登場して来ました。一昨年、彼女は今回と同じクイーンSに挑戦。キャットフィーユの前に6着(14頭)に敗退。やはり、パワーを要求される洋芝は向かないのか、ということで昨年は小倉に遠征。

今年は福島牝馬Sという重賞を手に入れたということもあって、また四位騎手の助言もあり、再び札幌の地、洋芝のクイーンSに挑戦となったのです。人気と無縁のマコトプリジャールは、この日も9番人気。

「内枠を引いたので、このような(前で展開)競馬をしようと考えていました」と、騎乗した四位騎手。

スタートと同時に飛び出したマコトプリジャール。サッと先頭に立ちます。外からリラヴァティが接近。一気に先頭に立ちます。1番人気のシャルールが2番手。控えたマコトプリジャールはその後のイン。外には2番人気のウインプリメーラ。

001 002 003 中団の外には出遅れたロッテンマイヤー。同じような位置にデルメディカラカラ。後方にはナムラアンと昨年の優勝馬メイショウスザンナが追走。

この形で流れはゆったりの坦々としたペース。半マイルが49秒1で、5ハロン通過は61秒5。明らかに超スローペース。

4コーナーをまわると2番手のシャルールが、リラヴァティを捉えて先頭に立ちます。これにウインプリメーラと、外からロッテンマイヤーが接近。

004 シャルールが勢いからそのまま押し切るかに見えましたが、好位インで辛抱していたマコトプリジャールが、ピッチ走法で弾けるように全身を駆使して肉薄。内から外に進路を取ってシャルールに並びかけて、激しい叩き合いからゴール寸前でシャルールを競り落としたのです。ラスト33秒8、洋芝で素晴らしい瞬発力を見せました。

005006007 009 重賞2連勝でステージがワンランク上がりましたが、これからは牡馬相手にどこまでやれるのか、あるいは重賞2勝が芝1800mだったので、2000m以上、あるいはマイル戦をどう克服できるのか、課題を克服がカギです。

それにしても、6歳牝馬、年齢を重ねた女性は、どちらの世界もここ一番は強いものですね。