
どちらも夏競馬は熟練馬による攻勢が続いています。6歳牝馬マコトプリジャールが札幌の
クイーンSを9番人気で制したのに続き、
小倉記念は7歳牡馬
クランモンタナが優勝。11番人気でファンの度肝を抜きました。
1番人気は過去10年で未勝利。ハンデ戦で波乱続きの
小倉記念に、今年も大波乱という筋書きのないドラマが待ち受けていました。
優勝は11番人気の
クランモンタナ。これまで何度も
重賞に挑戦しながら勝ち星は、遥か遠くに霞んでいたのです。
すでに7歳の夏という年齢からも、電光掲示板に名前があれば上々という雰囲気でした。そして、今回の和田
騎手と初コンビ。
おそらく和田
騎手は成績から、いつものように乗ったのでは勝てない、と頭の中では考えていたのでしょうか。そんな折り
調教師サイドから「
メイショウナルトがいるけれど、できるだけ行けるところまで行って欲しい」とアドバイス。これで和田
騎手の腹積もりは、迷いなく決まったはずです。

スタートして中から
メイショウナルトが当然のように主導権。これにウインリバティと、
テイエムイナズマが顔をのぞかせてきましたが、このときでした。和田
騎手が懸命に手綱をしごくようにして、2番手に顔を出して来たのが
クランモンタナでした。勢い余って逃げている
メイショウナルトまで脅かしそうになる展開。


4番手にウインリバティと
テイエムイナズマ。
マーティンボロと内に2番人気のサトノラーゼン。それらの外の中団に
プランスペスカと1番人気の
ダコール。内には
エキストラエンドがいます。
前半4Fが48秒7、前半の5Fは60秒5、同じ日の3歳未勝利戦が5Fで60秒5の同タイムラップ。ということは明らかにスローの流れです。
3コーナー手前でアングライフェンの
川田騎手がイケ~!!とばかりにゴーサイン。後方から外を一気に仕掛けて前方ににじり寄って行きます。
メイショウナルトを追って2番手の
クランモンタナの和田
騎手が、途中でやめようとする
クランモンタナを、奮い立たせるかのように手綱しごきながらステッキを連打。懸命に仕掛けて前に出ようします。
直線入り口で早くも
メイショウナルトに並んだ
クランモンタナ。ここで再びステッキを連打。これに応えようと
クランモンタナのしぶとい二の足。
テイエムイナズマ、サトノラーゼン。アングライフェンもいます。そこには
マーティンボロもいましたが、外側にモタれ伸びかけていた
ダコールの進路を妨害する格好。
そんなときに大外から鋭い脚でベルーフが強襲。中から伸びた
エキストラエンド。間には
ダコール。優勝はクビ差で
クランモンタナ。ベルーフの末脚を辛くも封じました。


優勝した
クランモンタナは7歳夏にして初めての
重賞制覇。一昨年、準オープンの
マレーシアC以来の勝ち星でした。
勝ち時計が2分ジャスト。過去10年で一番遅いタイムです。それで良馬場なのにラスト3ハロンが36秒1。あまりにも平凡な内容。

スタートと同時にしごいて2番手をキープした
クランモンタナ。3コーナー手前ではステッキが連発。直線は誰の目にもバタバタになると思われましたが、懸命の36秒台の時計で粘り込むだけ。良馬場の小倉で、この平凡な上りなら後方の待機馬が一気に押し寄せて一転二転するものですが、少しバテ気味ながらも押し切った
クランモンタナ。
つまるところ、
クランモンタナはいつものように走っただけ。半面、あまりにも走らなさ過ぎた後続馬。この日、小倉はもの凄い暑さ。それゆえ、ほとんどの馬が暑さ負け、夏負け、だった嫌いがあります。
来月初めに同じ2000mのハンデ戦、
新潟記念がありますが、敗れたそれぞれの馬の体調が不安になります。
