新潟、真夏のマイル重賞「関屋記念」。今年も1番人気のマジックタイムが3着に敗退。優勝したのは3番人気のヤングマンパワー。中団の外で折り合いを付け、じっと我慢。ゴール前の勝負に徹し、先頭に立ったダノンリバティに外から並びかけると、これを見事にクビ差捉えました。
「向こう正面でレッドアリオンが行ったときに、あれについて行ってはまずい、と考えて折り合いに専念させました。それがうまく行きましたね」と、戸崎騎手。
どちらかというと、決め手の甘さが災いして、それが昨年の関屋記念の3着。京成杯AHの同タイム3着。そして今年も福島民報杯2着、谷川岳S2着と、オープンでは決め手の甘さを露呈。
それが、戸崎騎手というトップジョッキーを得て、前走の多摩川S(準オープン)に続き2連勝。昨年の2月、アーリントンC以来1年半ぶりの重賞制覇でした。
スタートを決めたピークトラムが内から先頭、そこをロサギガンティアのMデムーロ騎手が、手綱を押して先頭に立ちました。そこへ、外から内田博騎手が推して押してレッドアリオンが先頭に立ちます。目まぐるしい展開です。
前半34秒4―45秒7。新潟マイル戦にしては、緩みのない展開となりました。ロサギガンティアにダノンリバティ、ピークトラム、マイネルアウラートが好位グループ。
その後にダンスアミーガとヤングマンパワー。マジェスティハーツはいつもより早め。タガノエトワール、ラングレーは中団後方。 後方にはクラリティスカイにサトノギャラント。そしてケントオーに1番人気のマジックタイム。先頭から後方まで縦に長い展開。 3コーナーから離して逃げるレッドアリオン。2番手はロサギガンティア。3番手がダノンリバティ。そこから少し離れてピークトラム。その直後で満を持すダンスアミーガとヤングマンパワー。
長い直線でじんわりとレッドアリオンに近づくロサギガンティア。それを見てダノンリバティも差を詰めにかかります。
そして、ラスト200m。ロサギガンティアが先頭に変わると、すぐさまダノンリバティが外から並びかけて来ました。それを見て接近するダンスアミーガ。
その時でした。力強い勢いでヤングマンパワーが接近。ダノンリバティが先頭に立ちかけたときに、頭の高い走法でヤングマンパワーが並びかけて来ました。抵抗するダノンリバティの外から力強く伸びてクビ差抜け出し待望の重賞制覇。
また、ゴール前で凄い脚で伸びて来たのがマジックタイム。後方から直線一番のラスト33秒1という最速タイムを計時。とはいえ縦長の展開でマジックタイムには厳しい展開でした。
一方、解せないのがロサギガンティアのMデムーロの騎乗法。ピークトラムが先頭に立ったときに、何故、追いかけて先頭を奪ったのでしょう。そこで、じっと我慢していたら、決め手のある馬なので、もう少し違った結果になったはずです。それに加えて、1400mを中心に走ってきた馬なので、今回の新潟外回りの1600mでは、末脚温存ということを念頭に騎乗すべきだったような気がします。