
夏の札幌の呼び物
GⅡ「
札幌記念」は、初
重賞制覇を決めたネオ
リアリズムが逃げ切り圧勝劇。
鞍上は断トツの1番人気の斬り捨て人、ルメール
騎手。
単勝1.6倍のモーリス。距離2000mに不安が残るなかで、札幌の道悪馬場もあり、モーリス大丈夫なの?という声。それでも、これだけの単勝支持率。それだけモーリスの存在感は大きかったのです。
モーリス陣営にとって前走の
安田記念の敗退が、きっとトラウマのように、のしかかって来る、という見方をしていました。終始折り合いを欠き逃げた
ロゴタイプに完敗。
それゆえ、きちんと折り合いを付けられる香港チャンピオンズマイルを圧勝したときのモレイラ
騎手に依頼。ということは、積極的に前に出て行かないという戦法で来るはず、という予測がつきました。
今年の
札幌記念は、
マイネルミラノが
新潟記念に矛先を向けたことにより、強力な逃げ馬が見あたりません。
そこへ目をつけたのがネオリアリズムのルメール
騎手。「逃げ馬がいないことがわかっていたから、逃げてリラックスさせて走らせられたら・・と思ってトライさせた」とコメント。この判断がズバリ!さすが
トップジョッキー。断トツの1番人気を切り捨てる一流の刺客でもあります。
戦前の予想ではレッドソロモンか、ロジチャリスが前に出て行きそうでしたが、なんとこの2頭が出遅れる、生死を分けるとんでもない失態。最後方に置かれてエンドマーク!
これで外からすーっと先頭に立ち、内から先行態勢のマイネルフロストを内に見ながらネオ
リアリズムが先頭に立ちます。
マイネルフロスト内から2番人気のヌーヴォレコルト。外からレッドリヴェールが仕掛けて前に出て来ました。その直後に3番人気のヤマカツエース。

そしてモーリスは中団の外側で折り合いを重視。外からいつでもスパートできる態勢。その後は
ヒットザターゲットに
トーセンレーヴ、
ダービーフィズ。後方には内にレインボーライン、ロジチャリス、ハギノハイブリッドなどが一団。

先頭に立ったネオ
リアリズムが2コーナーから少し離し気味。前半の半マイルが47秒8、1000m通過は59秒9。札幌の洋芝で稍重馬場。スローとは言えませんが、気持ちのいい走りで一人旅。2番手以下がネオ
リアリズムを捉まえになかなか動きません。
4角でも手応え十分に先頭でまわって来たネオ
リアリズム。これに気づいたモーリスのモレイラ
騎手が猛然と外からスパート。懸命にステッキを入れるヌーヴォレコルト、ヤマカツエースを捉えて2番手に進出。懸命にネオ
リアリズムを追いましたが、セーフティーリードのネオ
リアリズムに並びかけるまではいきません。

そして、逆にゴール前で息切れ気味になったモーリス。大外から猛然と追い込んで来た3歳馬レインボーラインの強襲に遭遇。なんとか2着は確保しましたが、その差はクビ。これで距離にひとつ不安が出ました。
優勝したネオ
リアリズムはモーリスに2馬身差。恵まれた面はあるものの圧勝劇でした。馬体がマイナス18k。余裕残しで走っていたのが、今回はキチッと仕上がって満点の仕上がり。とはいえ、1、2着は共に
堀厩舎の所属。今年
GⅡは4勝目。不思議なことにGIは未勝利ですが、また新たなGI候補の誕生となりました。

モーリスは距離の限界でしょうか。道悪でしょうか。課題を残して秋に向かいます。もし、
秋の天皇賞に向かって来た場合、評価が難しいところです。
また4着のヌーヴォレコルトは、洋芝の道悪が応えたのか、4角手前でステッキが入っていました。

