
秋のGI第4弾「
天皇賞」。圧倒的な人気に支持されたモーリスが、世界のライアン・ムーアを背に、直線力強く抜け出し154頭目の
天皇賞馬に輝きました。
今年は
武豊騎手が騎乗する逃げるエイシンヒカリか、圧倒的なパワーと実績を持つモーリスか。2頭のマッチレース的な様相があった
秋の天皇賞。
モーリスのムーア
騎手は、当然ながらエイシンヒカリを徹底マーク。好位5、6番手の外目で逃げるエイシンヒカリに睨みを利かせます。
対して1番枠という、まさに願ってもない枠を引いたエイシンヒカリ。強力な同型馬もいないことから楽に主導権を取り、そのまま押し切るかも知れない、そう考えたファンも多かったようです。
ところが、そんな様相の場合は、それぞれの
騎手も単騎逃げを読んでいるので、徹底マークされがちなのです。それよりもパドックからイラつき出したエイシンヒカリ。検量室前では大暴れを展開して早めの本馬場入り。
レースはいくらか躓きながらも、事なきを得てアッサリ主導権。続いて
ロゴタイプ、ヤマカツエース、外から
ラブリーデイが2番手を争う形。エイシンヒカリはペースを上げず、後続もピッタリと離れず続きます。
これらの動きを直後で見るモーリス。折り合いも付いていつでもスパートできる態勢。モーリスの内側にはサトノクラウン。この後にモーリスをマークするリアルスティール。
ルージュバックが中団。後方にはステファノス、その内側にアンビシャス。最後方が
ヒストリカル。



前半の1000mが60秒8。多少時計を要する良馬場であったとしても坦々としたスロー。逃げるエイシンヒカリを先頭に2番手の
ラブリーデイ、
ロゴタイプが3番手でピッタリと離れません。
4コーナーをまわるとエイシンヒカリに手綱を持ったままで
ラブリーデイが並びかけて来ます。モーリスもすぐ外側に進出。3番手に上がったサトノクラウンの外から、凄い手応えで満を持しています。インサイドには
ロゴタイプ。そして
ラブリーデイがエイシンヒカリの外から抜け出し、それに
ロゴタイプが続きましたが、坂あたりでライアン
騎手がゴーサインを出すと、モーリスはエンジンが他馬とは歴然でした。直線外から一気に抜け出します。
それを後ろで見ていたリアルスティールが、モーリスの内側から猛然と追いかけます。開いたインサイドからは後方にいたアンビシャスがグイと浮上して来ました。力強く抜け出したモーリス。追うリアルスティールで勝負あり。3着争いは一旦、3番手に上がったアンビシャスでしたが、一番外から直線勝負に賭けたステファノスの切れ味が上回り3着に食い込みました。

直線で早々と捉まったエイシンヒカリは12着に失速。イラつきもありましたが、何か体調に問題があった印象です。また3番人気に推された
ルージュバックは危惧した通り、中間、馬体重が減り、それを回復させようとスタッフが懸命に努力したものの中2週では戻り切れませんでした。
毎日王冠を使わず真っ直ぐ
天皇賞に直行したほうが良かったかも知れません。

そして私の◎リアルスティールは2着に敗れたものの優勝したモーリスに続いた内容はさすがでした。それというのも、装鞍所で暴れてパドック入りがギリギリ。ところが、パドックに入ると落ち着いて周回。本馬場でも落ち着きがあり問題なし。中2週を嫌って、
毎日王冠をパスしましたが仕上がりも上々でした。
惜しかったのはアンビシャス。抜群の手応えで後方待機。直線はインからグイグイ伸びて来ましたが、最後はインが伸び辛い馬場コンディション。その差が出た印象です。

私の
天皇賞予想は▲モーリス◎リアルスティール。△ステファノス○アンビシャス。秋のGIは4連勝となりました。
