
昨年の女王杯を制したマリアライト。
有馬記念でも好走し、今年の
宝塚記念を制して名実ともにトップの座に上りつめました。当然ながら今年の女王杯は1番人気に押し上げられたのですが、単勝が3.1倍。ファンの目にはまだまだ危うさが残る印象がありました。
2番人気が4歳のミッキークイーン。昨年の
ジャパンCで3番人気。今年の
ヴィクトリアマイルで2着。ところが、
ヴィクトリアマイル以来、半年ぶりのぶっつけ本番。とはいえ3.6倍の単勝オッズ。人気の2頭に懐疑的な目で見られていた今年の
エリザベス女王杯でした。

そんな中で、堂々優勝旗を手にしたのがM・
デムーロJ騎乗の3番人気クイーンズリングでした。
終始、中団のインを追走。折り合いはバッチリ。好位で満を持していたルメールJのシングウィズジョイが、直線入り口あたりから一気にスパート。これを後ろで見たクイーンズリングが、それに続こうと外に出そうとすると、そのまた外から進出したミッキークイーンが前を塞ぐようにブロック。そこで、一旦躊躇したものの諦めず、ほどなく前が開くと、2番手争いを演じていた先行パールコードの内から前を追います。

逃げたプリメラ
アスールをアッサリ捉えてゴールへ真一文字に末脚を伸ばすシングウィズジョイ。一瞬、シングウィズジョイに勝たれたか、というシーンでしたが、外に出したクイーンズリングが猛然と肉薄。そしてゴール前でシングウィズジョイに並んで、クビ差抜け出たところがゴールでした。
スタンドに向かいながらガッツポーズのクイーンズリングの
デムーロJ。クイーンズリングにとってはGI初制覇。


「初めて京都でGIを勝てました。これが夢だったんです」と
デムーロJ。GIスマイルの連発でした。
アメリカ大統領選挙でD・
トランプ氏が次期大統領に選出。その直後に「マンハッタンの隣」にある地名を名に持つクイーンズリングが優勝。実に
タイムリーでした。

それにしても、2着に頑張った12番人気シングウィズジョイ。実績から格下というイメージでしたが、枠順とスローを意識したルメールJが、好位のインで終始経済コース。勝負どころあたりまで、じっとして直線一気にスパート。ルメール
騎手ならではの快走。さすがでした。
プラス10kの馬体。半年ぶりの実戦だったミッキークイーン。直線で加速したクイーンズリングに反応が鈍く一瞬置かれました。この辺は休養明けなのでしょうか。それでもゴール前で盛り返して見せたあたり立派です。
ここまでの上位3頭は4歳勢でしたが、見せ場十分だったパールコード。展開が味方したとはいえ古馬牝馬の
トップクラス相手に4着。
秋華賞2着の力量は本物でした。
そして1番人気のマリアライトは、同じ5歳のシュンドルボンと並んで6着同着。またムーアJが騎乗した4番人気タッチングスピーチは8着。休養明けと流れが向きませんでした。
注目したヒルノマテーラは馬体、状態は素晴らしかったのですが、後方から直線外をまわってヨーイドンでは、さすがに厳しかったようです。距離もいくらか長い印象もありました。
