記録的な超スローで歴史的なラスト32秒7の決着!!
それは衝撃的でした。ラスト3ハロンが「32秒7」。注目の「東京新聞杯」(芝1600m)は、良馬場の東京競馬場で行われました。 出走頭数が10頭。強力な逃げ馬が不在。お互い牽制し合いながらの展開。そんな中で内から好スタートで先頭に立ったブラックスピネル。押し出される形でしたが、2番手のマイネルアウラートがこの位置で納得。最内のダイワリベラルが引き、外からじんわりとヤングマンパワーが上昇。その後ろに1番人気エアスピネル。好位置でガッチリと折り合います。 このエアスピネルをマークする形で直後にプロディガルサン。そしてストーミーシー、ブラックムーン、最後方にロイカバード。 前半3ハロンが37秒2、半マイルが49秒8。未勝利でも遅いような流れです。そして1000m通過が62秒2。 ちなみに、3歳500万の芝2400m、ゆりかもめ賞が37秒1-49秒8と、ほとんど同じようなペース。 このスローでも動きはありません。4コーナーを抜群の手応えでまわってきたブラックスピネル。2番手のマイネルアウラート。そして3番手のヤングマンパワーも手応え十分。 直線外からじんわりとエアスピネルが差を詰めにかかります。その後ろにプロディガルサンです。 そしてラスト3ハロンが、10秒9―10秒8―11秒0の決着。それは逃げたブラックスピネルが叩き出した時計でした。最内ピッタリに加速するブラックスピネル。驚きの32秒7と驚異の二枚腰。それはJRA史上、わかっているだけでマイル戦以上の距離では最速の上りタイム。 この歴史的な二枚腰でブラックスピネルが後続に快勝。マイネルアウラート、ヤングマンパワーもラスト33秒0、32秒8で頑張っていましたが、外からエアスピネルが32秒3でジワジワ接近。 その時でした。エアスピネルの背後にいたプロディガルサンが、マイネルアウラートとエアスピネルの間をグイと伸びて2着。プロディガルサン自身のラストはビックリの32秒0。菊花賞以来の登板で、22k増の馬体重だったにもかかわらず、ブラックスピネルにクビ差まで猛追。その驚きのパンチ力。 これはひょっとしてマイラーではないか、とさえ思うほどでした。国枝師は今後どんなレースをチョイスしていくのか目を離せません。第二のモーリスになる可能性があります。 そして優勝したブラックスピネル。これまでの差し、追い込みのイメージを一新させる衝撃の逃げ切り勝ち。むろん、ブラックスピネル陣営にとって大収穫の一戦でもあります。 流れに応じて臨機応変に対応できることにもなり、春に向けて大いに楽しみな1頭でもあります。 また、ヤングマンパワーが微差の6着。自身も32秒8で応戦しているのですが、レースが32秒7と異例の高速、瞬発力決着。そんな状況では無理だったようです。
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