それは突然の予期せぬメールでした。
「実は私、今、毎日赤坂サカスの真ん中のスタジオで、12時から13時までエリア放送をしています。そこで、ご相談なんですが、アベコーさんの番組とTBSの関係もあって、アベコーさんに番組に出て頂きたいんですが・・。お時間があるときに直接ゲストとしてご出演して頂き、4月28日のチャリティーの宣伝も含めて告知して頂けませんか。もちろん、皐月賞の注目馬を言って頂いてもいいですよ。放送は被災地復興が目的のものなんですよ。私からチャリティー・ライヴの告知をするよりも、ご出演されているアベコーさんからのほうが断然いいと思います。もし、よろしければ、広く皆さんにチャリティーを呼びかけてみては如何ですか?というスタッフを含めた意見でした」
竹山まゆみさんからのメールでした。
今回の東日本大震災でJNN・JRNでは、このたびサカス広場に『絆』プロジェクト立ち上げ、被災された方々が、一日も早く落ち着いた生活を取り戻せるように支援していく活動。その発信基地としてサカスに臨時のサテライト型スタジオを造り、ここからエリア内での放送ということでした。
スタジオの壁には著名人や多くのタレントの方のメッセージがビッシリ。また、建物内の大きな壁には、一般の方から寄せられたメッセージが、ところ狭しと貼り出してありました。
この日は、私の大切な友人でもあるアーティスト天雀の(テンチュエ)さんも一緒に出演。天雀さんは同じアーティスト仲間である、あのGACKTさんと一緒に募金活動に参加。その一方で、彼女はスタッフを集めて、自らの車と運転で、友人がいる岩手まで物資を車に積み、寝袋ひとつ持って各避難所をまわったとか。前からこの話を彼女から聞いていた私は、是非とも彼女もゲスト出演して、被災地の実情を訴えたらと思って、天雀さんに連絡。そうしたら「喜んで出させていただきます」と即OK!「ギャラの出ない番組なんですが・・」と続けても「まったく問題ないです」とキッパリ。本当にいい方なのです。
私は天雀さんのヒット曲「ムグンファの花」という歌の持つ独特の温かさ、メロディアスな曲調に、なんとも言えない二胡の調べ。そして歌詞の素晴らしさ、卓越した天雀さんの歌唱力。この曲をサカス広場から電波を通して発信できたらいいだろうな、との思いが強くあったものですから、CDをお願いしようとしていたら、竹山さんが天雀さんの曲を是非とも流したいので・・というお誘い。
本番では天雀さんが、被災地に出向いて実際に体験した現地の実情と、まだ実際に不足している物資、圧倒的に不足している女性関係の物などを報告していました。岩手の友人ところでは、うちよりももっと大変なところがあるので、そっちに物資を届けてといわれて、避難所をまわっていたとか。
私は、まだ連絡がとれない親族、同級生、知人。今はもう瓦礫だけの世界になった幼少の頃に遊んだ故郷。火葬が追いつかず、次々に増えるご遺体。そして、崩壊を免れた家でも一人取り残された多くの病弱な老人。水も電気をストップして、食べる物がない悲惨な状況の中で、避難所にも行けず、厳しい環境に置かれている現実を、実際の私の叔母の話から訴えました。また、テレビなどの報道が行けず、まったくの手付かずの被災地があることもマイクを通して伝えました。
最後に地震の影響で1週遅れの東京・皐月賞について触れたのですが、あまり気乗りがしなくて、東京の開幕で2000mですから内枠が絶対有利。内枠から買ってください、というのが精一杯でした。
作詞:やしろよう 作曲:浜圭介 唄;天雀
ムグンファの花咲いて 大空染める頃 思い出して欲しい 愛する人よ
どんなに遠く 離れていても 十年・・百年・・千年 恋しいふるさと
鳥になり この空越えて 飛んでゆくのです 私の想い
あなたに あなたに あなたに逢いたい
ムグンファの花散って 大地にこぼれても
忘れないで欲しい いとしい日々を
悲しいことは雨に流して
十年・・百年・・千年 微笑むふるさと
鳥になり 涙を越えて
風よ運んでよ 私の祈り
あなたに あなたに あなたに届けと
ムグンファの花咲いて 大空染める頃
思い出して欲しい 愛する人よ
愛する人よ