fbpx

細胞修復途中のアパパネがダメなのはわかっていたけど、まさか3歳馬にしてやられるとは・・(T_T)


 東京春開催の最後の大一番「安田記念」。優勝は3歳のリアルインパクトでした。3歳馬が優勝したことは過去ゼロ。それもそのはずで、過去、3歳馬が安田記念に出走したことが1度だけ。リアルインパクトが2頭目の挑戦だったのです。
 しかも、キャリアが5戦で、かつ1勝馬。直前のNHKマイルCで3着だったとはいえ、安田記念を始めから目標にしてきた歴戦の古馬相手に、これらを打ち破りGIを勝てるとは思いもよりませんでした。
 むろん、戸崎圭太騎手の好判断が優勝に大きく貢献したことは言うまでもありません。好スタートを決めて、ジョーカプチーノと共に、逃げるシルポートを2番手でマークする形。3コーナー手前でシルポートが差を広げにかかったとき0508_01_4に、ピタリとついて行ったジョーカプチーノ。対して、ついて行かなかったリアルインパクト。結果的にここで一息入られたことが、最後の伸び脚につながったように思います。まさに南関東、というより地方競馬の若き獅子、戸崎圭太騎手の沈着なプレーが、優勝に大きく貢献したと言っても過言ではありません。3歳馬によるこの優勝が、安田記念の歴史に新たな1ページを飾ったようです。
 また、戸﨑圭太騎手がJRAの初GI制覇で、彼自身の騎手人生に新たな1ページを刻むことにもなりました。おめでとう!(^o^)/

 最終の単勝支持が2・2倍と、断然の人気に推された牝馬3冠のアパパネ。前走のヴィクトリアマイルでGI5勝。東京芝で負けなしの4勝。うち東京のマイル戦で3戦3勝。実績は圧倒的でしたが、私にはアパパネという馬が勝つということが、どうしてもイメージが出来ませんでした。

0508_02

0508_03_4

 それは、ハッキリした事実があるからです。そのひとつの例が、安田記念の直前のレースで、マイル1分31秒台で走った馬は、優勝はおろか2着もないのです。このデータは過去10年のものですが、遡ってもそれは厳然たる事実として、安田記念史に刻まれているのです。7年前、ローエングリンがマイラーズCを優勝。1分31秒9をマークしましたが、この馬が3着で、唯一の安田記念の馬券対象馬。それに、この時のマイラーズCは4月19日で、安田記念が6月8日。十分レース間隔が開いていたわけで、今回の中2週だったアパパネとは随分異なるわけです。
 アパパネは春のGIはヴィクトリアマイルを最大の目標として仕上げてきたはずです。そこには女王ブエナビスタが参戦。そのブエナビスタとゴール前で激しい死闘を演じ、究極のタイムでの優勝。この一戦でまだアパパネに余裕があったら、それこそ怪物です。常識的には疲労が相当出たはずです。ゆえに中間の調教も手加減して軽くなり、当日はヴィクトリアマイルよりも馬体がプラス8K。
 持論ですが、人間も馬も、哺乳類は激しい戦いをすれば、細胞が破壊される。競走馬は速く走れば走るほど細胞が破壊されるとみています。ただし、また破壊された細胞を、新たな細胞が生まれて補ってくれる。それを補うまでの時間が、当然ながら必要になるわけで、アパパネは中2週という時間が、完全修復するまでは短すぎた、というのが私の持論です。
 レース後「最後はフラフラしてしまった。苦しかったんだろうね。ブエナビスタが相手のヴィクトリアから中2週というローテーションがきつかったんじゃないのかな。もう走った後は、歩くのがやっとという感じだったものね」と、アパパネの蛯名騎手。素晴らしい牝馬。秋に備えて後遺症が残らないことを祈ります。
 私は、安田記念でリディルに◎。12番人気でしたが、スタートでポンと行けず、馬込みの内で後手後手のレース。直線も抜群の手応えだったのに前が開かなくて、スペースを探して中舘騎手が右往左往。結局、この馬の持ち味をフルに生かし切れませんでした。勝ち馬と0秒3差の7着。なんだかもったいなかった気もします。秋のマイルチャンピオンシップで巻き返しに期待します。0508_04