
予想を生業にするものにとって、◎〇▲で決着することは、この上ない至高のエクスタシーでもあります。
大混戦と言われていた「
エプソムカップ」。私は熟考に熟考を重ねた上で、出した結論が◎ダッシングブレイズ 〇アストラエンブレム ▲マイネルハニーでした。
安田記念の直後でもあり、昨年圧勝した
ルージュバックのような、いわゆるGI級と言われる実績馬が不在。しかるに、4月の
マイラーズCで、スローの厳しい展開の中で、
安田記念1番人気のイスラボニータ、エアスピネル、ブラックスピネル級相手に、見せ場をつくったダッシングブレイズにとっては、まさに初
重賞制覇に、またとないチャンスだったのです。初めての芝1800mでしたが、年齢を重ねて少しズブさが出て来たこともあり、まして充実の5歳という時期。長い東京の1800mで、むしろ本領発揮と見ていました。
この日、
エプソムカップが始まる前に、ある記者が「アベコーさん、
ジョッキーの皆さんが、インサイドが酷い。3、4コーナー辺りが一番悪い。昨日の夜、散水し過ぎたのだろう、と言うことですよ」と、教えてくれました。
そうか、それで各
騎手は内を思いっきり開けて走らせているわけだ。外から伸びて来た馬が上位を占めていることも、その表れだろう、という結論に至りました。
とすると、
エプソムカップの1番枠
マイネルミラノは当然、逃げるか先行するから厳しくなるな・・。ダッシングブレイズは少しくらい時計の要する馬場は問題ない。
ところが、展開は考えていた推測と異なりました。マイネルハニーが思い切って先手を主張。これは承知だったのか
マイネルミラノは控えます。驚いたのが1番人気のアストラエンブレム。
デムーロ騎手はこの展開を読んだのか、2コーナー過ぎでは2番手の
トーセンレーヴの外に馬体を併せに行きます。クラリティシチーがその外。直後のインに
マイネルミラノで、さらに驚いたのはダッシングブレイズが
マイネルミラノの外にいるのです。



2番人気のタイセイサミットが好位グループで、その真後ろに3番人気のデンコウアンジュ。後方には
バーディーイーグル、その後に
ヒストリカル。
前半の半マイルを48秒2。3コーナーです。マイネルハニーを先頭に内から
マイネルミラノ。そしてビックリのダッシングブレイズが2番手に進出。外にはアストラエンブレムがピタリ。クラリティシチーと続きます。前半の1000m通過が59秒7。スローの展開で直線勝負に持ち込まれました。
そして注目の4コーナー。先頭のマイネルハニーの
柴田大騎手は、内5頭分くらい開けて直線に出て来ました。直後の内に
マイネルミラノが食い下がります。その後に内からダッシングブレイズ。アストラエンブレムはマイネルハニーの外を狙います。
直線中程で
マイネルミラノが脱落。マイネルハニーを先頭に内からダッシングブレイズ。外からアストラエンブレム。3頭が激しく叩き合います。そして、ゴール前でダッシングブレイズが最後の勝負強さを発揮。グイと抜け出したのです。



2着は馬体を並べてゴールイン。頭の上げ下げの差でアストラエンブレムが1番人気にからくも応えた形。その差はハナ差でした。以下、4着が好位で頑張ったクラリティシチー。
2番人気のタイセイサミットが6着。デンコウアンジュは8着となりました。勝ちタイムが1分45秒9、ラスト34秒5。1週前の
安田記念が1600mで1分31秒5。流れが大きなポイントだったとはいえ、思いもよらぬ時計を要する馬場コンディションが、結果に影響を与えたような気もします。
とはいえ、
重賞エプソムカップの◎〇▲的中!その夜は仲間と美酒に酔いしれました。

