
秋初戦、注目の一戦が東京、京都で行われました。それぞれ勝ち馬に
天皇賞優先出走権が与えられる「
毎日王冠」と、「
京都大賞典」です。
まず、東京で行われた
毎日王冠は、中団に待機にしたリアルスティールが、抜群の手応えで浮上。直線で先頭に立ったダイワキャグニーを捉え、外から猛然と追い上げたサトノアラジンをクビ差振り切り優勝。
リアルスティールは2月の
中山記念以来、実に7ヶ月ぶりの実戦でしたが、プラス4kとキッチリと仕上がった馬体で、いきなり本領発揮となりました。

考えてみれば、昨年の
天皇賞で私が◎に指名。当時も
安田記念以来の登板ながら、いきなりモーリス相手に2着。休養明け、ポン駆けに強いところを今回も見せつけました。
2着にゴール前で外から猛然と肉薄したサトノアラジン。
安田記念を制した破壊力は本物でした。明らかに本格化しています。
同時に外から強烈な伸び脚を見せたグレーターロンドン。サトノアラジンと並んでラスト32秒6という衝撃のパンチ力を披露。GIでも通用する破壊力を保持していることを
アピール。
さて、このレースで注目された単勝2.0倍の1番人気ソウルスターリング。強力な逃げ馬がいないということから、1番枠を引いたこともあって、スタートで前に出ると、ルメール
騎手は先頭を譲らず単騎逃げ。
前半が35秒6-47秒8―60秒0。明らかに超スローペース。各馬一団の展開で、逃げるソウルスターリングにとっては、逆に後続の格好の目標になってしまった印象があります。こうなると一瞬の爆発力を持つ古馬陣のキャリアがモノをいってきます。とはいえ、直線無抵抗の8着とはあまりにもお粗末。次なる
天皇賞秋が気になるところです。

またマカヒキが6着。内枠の5、6をキープしていたのですが、ラスト33秒5の決め手の勝負に対応できませんでした。ただ、ゴール寸前で鋭い脚を見せていることから、ひと叩きした次走で雪辱があるかも知れません。
毎日王冠と同様に「
京都大賞典」もスローで展開しました。外から差し追い込みの
ラストインパクトが主導権を主張。中央からトーセンバジルの
岩田騎手が仕掛けてインに切れ込み3番手を確保。これも追い込みのマキシマムドパリが2番手。そんな状況下で、1番人気のシュヴァルグランが最後方から2番手。2番人気のサウンズオブアースは中団の外に待機。そこには3番人気のミッキーロケットがいます。さらに
スマートレイアーは後方インでじっくりと末脚温存。
スローで前半の4ハロンが46秒1-ラスト34秒4の決着。直線で
ラストインパクトの2番手に浮上したトーセンバジル(6番人気)。私の◎と言うこともあって「よし!岩田、まだ早いぞ!」と頭の中では叫んでいました。



そして抜群の手応えで
ラストインパクトに並びかけると、高く上げたステッキが一発、グンと突き抜けます。ラスト200mが11秒5、勢いに乗った岩田トーセンバジルが、そのまま押し切りそうにも見えましたが、インから馬込みを縫うように伸びてきたのが7歳牝馬の
スマートレイアー。ゴール寸前で計ったように半馬身差し切り勝ち。あまりにも見事な切れ味。7歳牝馬にはとても見えない迫力がありました。
このあと
エリザベス女王杯へ向かうとのこと。悲願のGI制覇が達成できるのでしょうか。
一方、外からシュヴァルグランが3着。できるだけ我慢して、末脚を生かす作戦だったようですが、単勝2.2倍には応えられませんでした。
また、2番人気のサウンズオブアースが13着と大敗。その敗因は不明です。
