fbpx

凄い爆発力で2連覇した女王陛下の国スノーフェアリーは世紀の英国版女傑か!!


 昨年の4馬身差という独走には至らなかったものの英国版女傑スノーフェアリーは、さすがに女王陛下の国、本場仕込みの強烈なスケールの違いを見せつけてくれました。
 私のスノーフェアリーに対する見方は、昨年イチオシしたときに比べて、今年のローテーションが、あまりにも厳しいステップゆえに、正直、昨年時の2割減くらいに考えて予想を立てました。
 9月のセントレジャーから2ヵ月。その間、ミッチリとい調整して女王杯参戦。ところが、今年は9月に愛チャンピオンSで2着したあと10月に凱旋門賞に挑戦。強豪相手にタフなレースながら3着に力走。驚いたことに、凱旋門賞から中1週置いて今度は英チャンピオンSで3着。GIレースを短期間にビシバシ使われて、今度は英国の反対側、日本への長距離輸送。到着後、軽いキャンターだけで本番を迎える、とあって当然ながら体調面で疲労残りが懸念されました。
 熟慮の結果、結局、私の評価は▲の印でしたが、昨年直線インからあっという間に突き抜けて4馬身差の強烈なパフォーマンス。あのシーンが鮮烈すぎて勝たれるかも知れないという思いが、私の脳裏を飛び交っていました。
No1  日本の馬で最上位に来るのは3歳馬のアヴェンチュラ。それを負かすとすればスノーフェアリーだろうという見方は、全国の競馬ファンと共通していましたが、私の目に止まったのが同じ英国のダンシングレイン。昨年のスノーフェアリーと同じ英国オークスで優勝し、3歳で女王杯に参戦。独オークスも優勝。7戦4勝、2着2回と、ほぼパーフェクトの成績。なによりかにより主導権を取って二の足を使う、今回のエリザベス女王杯には最も適しているようなタイプ。
 しかも、幸いにも強力な逃げタイプが日本側には見当たらず、難なく主導権を取って、好位のアヴェンチュラは後続のスノーフェアリー等の有力馬を牽制して仕掛けを遅らせるだろうという判断。となると逃げたらすべて勝っているダンシングレインにとっては願ってもないチャンス。目下2連勝の勢いで、女王杯もまんまと逃げ切る可能性が大、という見方をしていました。
 ところが、スタートですべての思いや、願いはいっぺんに瓦解したのです。こともあろうに何んと逃げるはずのダンシングレインが出遅れたのです。しかも外から隣りのエリンコートに前に入られて前にも行けず後方に下げざるを得ない事態。最悪のドラマのスタートで目の前が真っ暗。
No2  ダンシングレインが行かないとみるや一気に飛び出して行ったのがシンメイフジ。グングン加速して、みるみる内に後続との差を広げて行きます。半マイルが45秒8で、1000m通過が57秒5。ほとんど玉砕的なペースで大逃げ。2番手にホエールキャプチャがローズSで優勝したときのような位置取り。その直後にアパパネとアニメイトバイオ。差なく外から進出したグルヴェイグと、内にアヴェンチュラ。その後ろにイタリアンレッドがいて、スノーフェアリーは後方グループ。
 マイル通過が1分34秒5で残すはラスト600m。大きく離された2番以下のグループ。突然のテレビ馬の出現に動じず、勝負どころまでじっと我慢。4角を回って馬場が傷んでいるインを嫌って、ホエールキャプチャとアパパネ、外からアニメイトバイオにグルヴェイグが接近。その後ろに続くアヴェンチュラ。大きく離して逃げていたシンメイフジも直線に入ると、さすがに脚色がガクンと鈍り、後続馬が一気に押し寄せてきます。
 まず、先頭に踊り出たのはホエールキャプチャ。その外からアパパネ。内から前を捌いて進出のアヴェンチュラ。と、そのときでした。4角で中団に押し上げてきたスノーフェアリー。昨年と同様に、ガラリと開いた直線イン狙って猛然と追い込みをかけてきます。その迫力たるや鬼気迫る世界の鬼脚。ゴール寸前で先頭に立ったアヴェンチュラを一気に捉えてエリザベス女王杯2連覇達成!
No3 No4
 当然であるかのように、特段の喜びのアクションもなく、ゴール板を過ぎて愛馬の首もとを「お疲れさん」とばかり軽くポンポンと2回。実に冷静なムーア騎手が印象的でした。
 着差はクビ差でしたが、連覇したスノーフェアリーには、私の予想や想像を超える大きなものを感じています。世界の歴史に名を残すくらいの凄い馬です。次は本当にジャパンCに参戦するのでしょうか。