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GI級の逸材がようやく手にした栄えある栄冠に喝采の嵐!!


 前日の雨が上がって太陽が顔を覗かせたとはいえ、コースは水分を含んでパワフルさが要求される馬場状況に変貌していました。
No1  こういった運を味方に取り込んだのが、今年のGIマイルチャンピオンシップ優勝馬、エイシンアポロンでした。結果的に5番人気は意外に低い支持と思えましたが、1年ぶりの実戦だった毎日王冠で4着。人気のダークシャドウ、リアルインパクトとクビ・クビ・頭差の0秒1差。互角に渡り合ったのですから衝撃の内容でした。1年も休んでいた馬が、トップクラスのGI馬を相手にいきなり互角の勝負。これには驚かされました。おまけに破格のラスト33秒2。
 とはいえ、こんなに初戦でGI級を相手に目一杯に走ったのでは、2戦目はその反動で凡走するかも知れないと考えたのですが、相手がやや手薄すの冨士Sで重馬場。2着のアプリコットフィズも良く走ったのですが、エイシンアポロンの地力の高さ、勢いの前には敵ではありませんでした。
 この一戦で完全に軌道に乗ったようです。毎日王冠で写真判定に持ち込んだリアルインパクトがマイルCSで人気の中心ということであれば、このエイシンアポロンもその前後の人気になるだろう。重馬場が得意であることは冨士Sの優勝からも明らか。2番人気か、それともリディルと並んで3番人気か。
 ところが、意外にもフランスの3歳馬イモータルヴァースが3番人気に浮上。前日の単勝オッズ11倍から6・7倍に上昇。3歳馬ということからか、重馬場ということからか大きく株価が動いたようです。ところが、結果的に出遅れて7着だったことで「こういった水分を多量に含んだ馬場は経験がなく、彼女には今日のような馬場は向かなかったようです。もう少し乾いてくれたらきっと持ち味が生きたと思います」とスミヨン騎手。はて、重馬場はOK。高速の硬い馬場は向かないという情報はどこに・・。

No2 No3
 レースは予測通りシルポートが主導権。これを追ってライブコンサートが2番手。1番枠のフィフスペトルもピッタリと追走。外からリディルの小牧騎手が背中を丸くして抑えるのに苦労している様子。同じ位置にはエイシンアポロン。そのあとにダノンヨーヨーとリアルインパクトが追走。フランスの2頭は後方で展開。
 前半の1000m通過が58秒6。逃げたシルポートにはいいペース。極端にハイペースではなく、後続も自己のポジションを維持する形で展開。ただ、4角で一気に後続が接近して、後方にいたサプレザが外に持ち出し、イモータルヴァースが最内を狙います。
No4 No5
 懸命に粘り込みを計らんとするシルポートも馬体を併せられてはギブアップ。2番手のフィフスペトルが一旦先頭。その直後にいたエイシンアポロンがこれを追います。3番手のダノンヨーヨー、その後に続くリアルインパクト。外から肉迫してきたサプレザ。
No6 No7
 激しい叩き合いは外のエイシンアポロンがフィフスペトルを捉えてクビ差先着。初めてのGI制覇となりました。11番人気で2着した横山典フィフスペトルは「最高の出来だったし、完璧なレースができた」と満足そう。
No8_2  3着とまた今年も優勝に届かなかったサプレザ。「よく走ってくれたが今年も外枠とはアンラッキーだったよ。上位がみんな内枠だったしね・・」と、ルメール騎手は悔しそうでした。
 優勝したエイシンアポイロンは毎日王冠の結果からも、1800mくらいまでは守備範囲とも思えます。まだまだ飛躍が期待できる存在です。