
春の注目のGI「
大阪杯」。中距離王の決定戦!勝者は1番人気に支持された
スワーヴリチャード。初GI制覇となりました。
この
スワーヴリチャードが大胆で衝撃的な
パフォーマンス。戦前から言われていた右まわり不安説。あの
有馬記念でも直線で外から内に切れ込むように他馬の進路を妨害。
デムーロ騎手にしても、この不安が頭に過るものがあったはずです。そのことが今回の
スワーヴリチャードの騎乗に繋がったと見ています。
加えて、15番枠を引いたことから
厩舎側といろいろと作戦を練ったことでしょう。この外枠から普通で出た場合に、3、4コーナーから外を通り進出。直線でまた内の馬に迷惑をかけるかも知れない。逆に内ラチを頼って走ったとしたら直線で必ず前がスムーズに開くという保証はない。
となると「これは強気に大胆なレースをするしかない。4コーナーを先頭にまわったら、これは必ずインを走れる可能性は十分。調子はすごくいいのだから少しくらい大胆なレースしても勝ち負けに持ち込める自信がある」と、
デムーロ騎手は考えたかも知れません。
その大胆なレースとは3コーナー手前のからのスパートでした。スタートで出遅れた
スワーヴリチャードは最後方から2番手。楽に主導権を取ったのがヤマカツライデン。その後にダンビュライト。私が注目したアルアインは5番手の内。その直後にサトノダイヤモンド、外に並んだシュヴァルグラン。中団のインにペル
シアンナイト。その背後にミッキースワロー。
スワーヴリチャードはその後でした。

そして早めに外からゴールドアクターが動くとトリオンフが続いて上昇。それを見て
スワーヴリチャードが出撃態勢。3コーナーに向かうところで外から一気に仕掛けて浮上。そして逃げるヤマカツライデンに並びかけます。

これにはビックリしたようなヤマカツライデンの酒井
騎手。2頭が雁行するように4コーナーにさしかかると、
スワーヴリチャードに再びエンジンが再点灯。これを目標に好位から内を割ってアルアイン。ラスト11秒1-11秒4-11秒6の争い。まさに二枚腰で後続を突き放しにかかります。

そしてアルアインの
川田騎手も懸命に前を追います。外からペル
シアンナイトが鋭く迫って来ました。一方で、外に出したサトノダイヤモンドは直線鋭さを欠いて伸びません。その外からミッキースワロー。その内からヤマカツエース。
左ステッキではなく右ステッキで安全策を取る
スワーヴリチャードの
デムーロ騎手。2番手に上がったアルアインの外からペル
シアンナイトが鋭く迫りましたが
スワーヴリチャードの快勝。
2着にペル
シアンナイト。3着にアルアインの4歳勢。ヤマカツエースが4着で、5着がミッキースワロー。サトノダイヤモンドは7着に敗退。
昨春の
皐月賞で6着だった
スワーヴリチャードが優勝。1、2着のアルアインとペル
シアンナイトの2着争いでした。
それにしても、
スワーヴリチャードの欠点を見抜いて、それを補うような騎乗法で勝者に導いたM
デムーロ騎手。まさに芸術的なレースでした。スタンドのファンから大きな喝采。本当に見事でした。
