激しく雨が降る中で予想外のドラマが・・・。
それは突然でした。午後に入り生暖かい風とともに天からポツポツと落ちてくるものがありました。雨でした。そして、それはレースが進むしたがって、強さを増し、9レース、10レースと大粒の雨が落ちて来ます。 この日、GI「ヴィクトリアマイル」は激しい雨が降り続く中で、予想外のドラマが起きるのでは・・と、私は期待と不安が交差するように馬場を見つめていたのです。 スタートと同時に飛び出すカワキタエンカ。リエノテソーロ、外のアエロリットが2番手をキープ。レーヌミノルとレッドアヴァンセが直後で続きます。その後ろにはインにレッゴードンキ、外にラビットラン。背後にジュールポレール。それに続く内からミスパンテールと、外にソウルスターリングが虎視眈々。それに続く内からアドマイヤリード。外にはデンコウアンジュ。この日、1番人気のリスグラシューが続きます。最後方には出遅れたクインズミラーグロ。 前半の3ハロンが35秒2、半マイルが46秒8。そして5ハロン通過が58秒3。この雨馬場を考えると、緩みないペースです。 ところが、直線に入っても11秒1-11秒2-11秒7と、結局、ペースダウンしないまま決着を迎えました。ところが直線内側は泥が跳ね上ります。その跳ね上がった泥が後続馬、騎手に降りかかります。 直線中程でカワキタエンカを捉えたアエロリットが先頭。それを同じような位置にいたレッドアヴァンセが並びかけてきます。さらにその外から好位で脚を温存したジュールポレールがグイグイ迫って来ました。一番外からリスグラシューが強襲。 アエロリットは最後に脚が鈍り、先頭に立ったレッドアヴァンセ、その外のジュールポレール、強襲したリスグラシューの決着は中のジュールポレールがハナ差先着。初のGI制覇でした。 2着がリスグラシュー。クビ差で3着が内のレッドアヴァンセ。注目の評判のソウルスターリングは伸びを欠き7着でした。 また、私が期待したアドマイヤリードは中団のインから外に出せず、仕方なく芝の状態が悪い内側を走らされ、不本意な7着に敗退。直線は何度もノメっていました。 1分32秒3の時計は、馬場状態を考えると相当速いタイムです。跳ねあがった泥は勲章だ!とばかり引き上げて来た馬上の幸騎手。 私の差し出した右手に、力強く、そしてイケメンスマイルで返してくれた幸騎手。なんとも清々しい表情でした。 もし、もしもパンパンの良馬場で行われていたならば、その結果は違ったかも知れませんが、これも運命。良馬場でもう一番、ということにはなりません。幸・ジュールポレールに拍手を送りたいと思います。
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