絶対的スピードの持久力比べともいえるGIの短距離6ハロン戦。今年も人間のトラック競技同様に、競走馬においてもスプリント界はガッシリとした、いわゆる馬格のある馬が圧倒的優勢を占めました。
春のGIスプリント決定戦、高松宮記念。新装なった中京競馬場で行われました。さすがにトップクラスの精鋭ともなると大型のジャンボ馬が多く、ニュー中京競馬場でも新たな歴史が刻まれたのです。
今年の高松宮記念を見事に制したのが人気のカレンチャン。牝馬ながら480K台の恵まれた馬体。昨秋のGIスプリンターズSでは牡馬相手に堂々たる圧勝劇。スプリント界の頂点に立ったのでした。
今年の高松宮記念は主導権をなんとしても取りたいという馬がエーシンダックマン1頭だけ。ゆえにこのダックマンのペースで進められることは確実と推察。これを読んだカレンチャンの池添騎手が楽に2番手。その直後に行きたがる感じでマジンプロスパー。抜群のスタートを1番枠から決めた1番人気ロードカナロアがすぐ後ろインの4番手。その外にダッシャーゴーゴーが抜群の手応え。
注目の3ハロンが34秒5、スローとも言っていいくらいのペース。ちなみに同じ日の9レース、1000万の三河特別で逃げて2着だったリュンヌが34秒5。まったく同じペースなのです。この前半3ハロンを過ぎた時点で、後方待機馬には厳しい展開なのは明白。このことは私も事前にシュミレーションしたものと同様でしたがそれよりも遅い流れでした。
スタートでややもたついたエーシンダックマンは、先頭に立つまでにかなり脚を使わされたせいか、4角をまわってもう失速気味。2番手を抜群の手応えで進んでいたカレンチャンが直線の坂を先頭。マジンプロスパー、その外にダッシャーゴーゴー。そして最内からジリジリとロードカナロア。一瞬、この4頭の上位争いか、という風に見られたのですが、外から凄い脚で追い込んできたのがサンカルロ。末脚の威力は完全に他を圧していました。鋭くグイグイと迫ったところがゴール。
軍配はカレンチャン。クビ差なんとかサンカルロの追撃を凌いだのです。もう少しペースが流れていたら間違いなくサンカルロの末脚が届いていたはず。スプリント戦でスローペース。サンカルロにはなんというツキのなさなのか。
「理想的に運べたし、最後も届くと見ていたのですが・・。残念です!」と、ガッカリした表情。
惜しくも3着に敗れたロードカナロア。4角で外に出せない不利がありながら流れと枠を読んだ福永騎手のベスト騎乗だと思います。成長段階の4歳馬。秋のスプリンターズSでのGI制覇を、福永騎手は手応えとして感じたかも知れません。
ダッシャーゴーゴーもこの中間、だいぶ立直りを見せていました。4番手追走という形で、持ち味をフルに生かして0秒1差4着。これも横山典騎手のベスト騎乗。
私の◎がマジンプロスパー。ハイペースで流れた1400mの阪急杯で、正攻法から完勝。充実ぶりと、単騎逃げのエーシンダックマンの2番手を楽について行けそうなことから展開上の魅力もあって本命にしました。1度でも芝の左回りを経験していれば、もう少し踏ん張れたような気もします。
エー!GIのスプリント戦なのに1000万条件と同じだって?!
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