それは衝撃の結果でした。6番人気の4歳馬ショウナンマイティがゴール寸前、大外から一瞬の突風のような末脚で全頭ゴボウ抜き。見事な追い込みを決めました。
この日、阪神競馬場は前日の雨で、天気は回復したものの馬場状態はやや重。しかも、大阪杯は典型的な逃げ馬が不在で、スローペースになることは競馬ファンであれば折込済み。本来であれば先行力があるアーネストリーが主導権を主張するのかな、と考えていたら中団に控える形。
このスローを察知していた岩田騎手のトーセンジョーダンが内枠を利して先頭。この直後にコスモファントムがいて、1番人気フェデラリストも流れと馬場を考慮した横山典騎手が3番手。なんで出てきたのかわからない連闘のフライングアップルも同じ好位。スタートして不利のあったナカヤマナイト。その外にアーネストリー。ローズキングダムもそれほど離れていない中団。ショウナンマイティが最後方を追走。
前半の半分、1000mが1分5秒2という流れはGⅡでも滅多にお目にかかれない超スロー。各馬離されず一団となった展開。明らかに楽なペースで逃げるトーセンジョーダンのペースでした。
直線は2番手にいたコスモファントムがジリ貧状態。トーセンジョーダンをピッタリとマークするようにいたフェデラリストが並びかけてきます。中からローズキングダムに内から少し外に出したナカヤマナイト。直線中程でトーセンジョーダンを捉えてフェデラリストが先頭に立ちかけたとき、大阪杯のドラマは急展開。最後方にいたショウナンマイティが内から中を走る各馬から離れた大外に持ち出し、目にも止まらぬ破壊力で一気の差し切り勝ち。アッサリと突き抜けてしまいました。
おそらく内側寄りの馬場は予想以上に悪く、脚をとられてジリジリという感じだったように見受けられ、そのぶんシッカリしたグリーンが生え揃った大外の馬場を、弾けるように追い込んだショウナンマイティの末脚が目立ったのだと思います。
勝ちタイムが2分5秒5、レースの上がり3ハロンが35秒3。極端に水準を下回る凡タイム。前半5ハロンを65秒2のスローで逃げたトーセンジョーダンが2分5秒8でラストが35秒6。6年前のカンパニーが重馬場で2分4秒5。一昨年はレコード決着でヒルノダムールが1分57秒8。
そのことを踏まえて考えると、阪神の馬場状態は降雨ということがあったにしても例年以上にコンディションが悪いようです。好天に恵まれて馬場状態が回復しても、1週間でガラリと一変するようなことはありえないはず。ちなみに、2006年に前記したカンパニーが優勝した1週後の桜花賞の勝ちタイムが良馬場で1分34秒6。ほとんどの年が1分33秒台だったことからも、やはり、この年は馬場コンディションが大きく左右したように思われます。優勝馬は6番人気のキストゥヘヴン。最後方から大外一気に追い込んで来ました。2着が1番人気のアドマイヤキッスで、5番人気のコイウタが3着。逃げた9番人気のアサヒライジングが4着。この上位4頭は1着から順に前走がフラワーC、チューリップ賞、クイーンC、アネモネ賞で、それぞれ1着馬だったのです。
今年の桜花賞を占う上で、大きなカギを握る馬場コンディション。14番枠から出て優勝したキストゥヘヴンのように外枠の馬に不気味さがあります。果たして結果はどんなドラマが待ち受けるのでしょうか。
今週の桜花賞に大きなヒントを与えてくれた大阪杯での衝撃の結末!
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