それは考えられないくらい票数を集めました。4走前に500万クラスを勝ち上がったその馬は、2走前の
むらさき賞(準オープン)で3着。そして前走の福島、準オープンの
阿武隈Sで優勝。今回は初めてのオープン、
重賞初挑戦でした。
その馬の名前はミッ
キーグローリー。5歳馬ながら底を見せていない魅力がありました。とはいえ、未知の魅力だけで、いきなり
重賞で1番人気に推されるものでしょうか。秋初戦を飾る中山「
京成杯AH」。開幕週とあって持ち前の
スピードに乗って押し切りたい馬が揃いました。

オープンの
六甲Sを圧勝し、休養明けだった前走の
中京記念でも1分32秒4でグレーターロンドンの2着と、当然、ロジクライが圧倒的な人気を集めそうでしたが、微妙な差で単勝2番人気。レース当日にミッ
キーグローリーは、集中的にごっそり票数を集めたのです。

中団の外で末脚を温存のミッ
キーグローリー。
鞍上はルメール
騎手。前半の半マイルが46秒9。主導権を取ったベステンダンク、さらにミュゼ
エイリアン。ショウナンアンセムも加わり、出入りの忙しい先行争い。3コーナーでは外からウイン
ガニオンが先頭に立っていました。

この厳しい展開に先行各馬は直線で息切れ状態。明らかに差し馬に有利な形。直線でヤングマンパワーが先頭に立ちかけたところを、すかさず外からミッ
キーグローリーが鋭く反応。内からしぶとく伸びるロジクライ。さらに窮屈なところをロードクエストが伸びて来ました。また、ゴール寸前でもの凄い勢いで強襲したワントゥワン。
結果は優勝ミッ
キーグローリー。2着が外のワントゥワン。写真判定となった3着はロジクライが、ハナ差だけロードクエストを退けて先着。

レース後、
鞍上のルメール
騎手は「大きなストライドをする馬だから、フラットの東京コースがこの馬には向いているよ」とコメント。
「京都は?」と、私が水を向けると、
「う~ん、京都はコーナーが、この馬には難しい」と首を傾げます。
「
マイルチャンピオンシップは京都ですよ」と私。
「アッ!そうだね。う~ん、分からない」と、テレ笑いのルメール
騎手。

いずれにしても、賞金的には
マイルCS出走は微妙ですが、ルメール
騎手が騎乗する、しないはともかく、目を離せない1頭であることは確かだと思われます。
それにしても、Cルメール
騎手の手綱さばきが実に冴えています。現在
リーディングジョッキーを独走中。200勝は確実視されています。そして現在、
重賞10勝。なにより連対率が驚異の4割越え。まさに「馬七、人三」が、逆転しているような錯覚にさえ、とらわれてしまいます。
スランプという言葉を知らないCルメール
騎手。秋競馬もこの
騎手を中心に、まわりそうです。
