安田記念当日は数日前から雨予報。前日もこれは変わりませんでした。となると雨、道悪を想定した馬場コンディションを思い浮かべて、安田記念予想も道悪を加味したものになったのですが、これがことごとく見事に裏切られる結末となってしまいました。
日曜当日はときおり太陽が顔をのぞかせて、8レースの500万クラスでは芝1400m1分20秒9で、ラスト3ハロンが34秒1。驚くほどの高速馬場です。
これでは安田記念が1分32秒を切るようなことにもなるかも知れないと考えるのも当然の成り行きでした。この超高速馬場に対応できる馬が断然有利になったわけで、雨を期待していた馬は手痛い状況。同時に中2週で臨むヴィクトリアマイルからの牝馬も大きなマイナスと考えました。直前の香港でマイル1分35秒台のラッキーナインは無理。同じ香港でもグロリアスデイズのほうが未知の魅力でいいかな、と思えたのですが、これとて異常な高速馬場では厳しい状況。
レーティング1位で出走が叶ったペルーサは初めてのマイル戦。いつも平均より遅いペースに慣れてきている同馬にとって、いきなりマイルの高速決着の競馬では、よほど恵まれないと勝ち負けは厳しいと考えました。
予想通り主導権を主張したのがシルポート。内から抜群のスタートを決めたコスモセンサーは、同きゅう舎のシルポートを待って好位に下げます。これを見て外から岩田リアルインパクトが2番手に進出。昨年の安田記念で3番手から抜け出して勝ったことを踏まえての積極策。さらに昨年のマイルチャンピオンSを制したエイシンアポロンが、そのマイルCSと同じように早めに好位内で機を窺う作戦。
中団にはラッキーナイン、ガルボ、グランプリボス。その外側になんとペルーサ、1番人気のサダムパテック。人気のアパパネも同じような位置取り。後方グループの先頭に2番人気のストロングリターンでその後にグロリアスデイズ、ダノンヨーヨー、フィフスペトルが展開。そしてローズキングダムと出遅れたスマイルジャックが最後方を追走。
前半の入り3ハロンが33秒8、半マイルが44秒9というやはり速い流れ。しかも中盤から後半にかけて11秒4、11秒3。1000m通過が56秒3、1200m通過は1分7秒6と、一向に逃げたシルポートはペースダウンをしません。1400m通過が驚愕の1分19秒4。これでは先行勢は壊滅的な展開です。
案の定、先行馬はラスト200mを迎えて、急激に脚色が鈍り始めて、後方待機馬がどっと押し寄せ、その中から黒の帽子のストロングリターンとグランプリボスが馬体を併せて抜け出し、両馬の激しい叩き合い。さすがに昨年の安田記念クビ差2着だったストロングリターン。今年はクビ差先着して優勝。
福永騎手が大きく手を上げて戻ってきた後方の電光掲示板には、衝撃の“レコード1分31秒3”が点灯されていました。
皮肉なもので惜しくも2着だった内田博騎手は、過去にストロングリターンで4勝と絶妙のコンビを組んでいた騎手。なにか運命のようなドラマ性を感じます。
唯一、好位置でしぶとく頑張ったコスモセンサーが、2着馬から2馬身遅れながらしぶとく3着。これは立派です。スタートが一番に良かったことが結果に結びつきました。
一方で、中団待機の1番人気サダムパテックは直線で伸びを欠いて9着。休養明けの京王杯SCを勝って中2週の登板。どうもその反動がモロに出たような印象です。
私の予想は◎エイシンアポロン○ストロングリターン▲シルポートでしたが、もちろんこれは当日の雨を想定していた予想。残念です!
前日、阪神では例年、暮れに行われた鳴尾記念があり、ここに仕方なく出走したのがショウナンマイティ。本当は安田記念に挑戦して来るはずでした。出走順位は18番。ところが、19番目にペルーサでレーティングの差で落とされて19番目となって出走が叶わず。もし出走が出来ていれば、4月の大阪杯でのケタ違いの決め手、破壊力から大いにチャンスだったはず。本命候補だったので悔やまれます。
レーティング1位のペルーサは勝ち馬から2秒も離されたシンガリ負け。距離というよりも何か体調に問題があったとしか思えません。
クビ差の死闘!驚異的レコード!安田記念は凄い結末!!
Category: 競馬 /