5年前の優勝馬ロックドゥカンプ以降、これといった出世馬が出ていないラジオNIKKEI賞。いわゆる“残念ダービー”は死語に近い感があります。
そういった状況下で行われた今年の一戦は、ハンデ戦を嫌ったのかダービー出走組がゼロ。やや物足りない組み合わせになりました。
そのなかで人気を分けそうだなと思われた京成杯4着、弥生賞3着の実績を持つアーデントが、皐月賞以来だったせいか、これが意外にも4番人気。若葉Sでワールドエースの2着、京都新聞杯5着で、皐月賞でもしぶとく逃げ粘っていたメイショウカドマツが、驚いたことに5番人気。きさらぎ賞5着、アーリントンS4着、プリンシパルS2着のローレルブレットの6番人気も意外でした。
結局、1番人気に推されたのは、私が狙っていたヤマニンファラオ。500万を勝った2勝馬。500万のゆきやなぎ賞を勝ったときが5番人気。唯一の重賞だった青葉賞で4着に善戦したときが8番人気。そして前走の白百合Sでも4番人気と、まず人気馬にはなり辛いタイプだったので、馬券的な妙味は十分だと考えたのですが、それが競馬ファンも共通した認識だったようです。
そして2番人気に推されたのがファイナルフォーム。前走の500万でゴール前、若さを見せて斜行。後続の馬の迷惑をかけてしまった馬でしたが、ダノンムローの下でディープインパクト産駒。いわゆる注目の良血。530Kの大型馬でもあり、成長力が期待できるとの思いで人気を集めたようでした。
主導権を取ったのが予測された通りメイショウカドマツ。これに内からヤマニンファラオが2番手主張。最内からショウナンカンムリ、中から白百合S4着、4戦2勝の3番人気サンレイレイザー。その直後でうまく折り合いを付けるように戸﨑騎手のファイナルチーム。後方にアーデント、最後方がローレルブレット。
半マイルが48秒1で、1000m通過が60秒5。前日の未勝利戦とまったく同じラップ。スローで展開したのですが、向う正面で2番手以下を離し気味に行ったせいか、メイショウカドマツが、4角で後続馬が急接近したときに二の足が使えず、直線早々に2番手のヤマニンファラオに先頭を譲る形。先頭に立ったヤマニンも併せる馬がいなかったことであとひと伸び欠いて、そこを直後にいたファイナルフォームに一気に突き抜けられてしまいました。脚色の違いは歴然で2馬身差の圧勝。
2番手でしぶとく粘ったヤマニンファラオ。3番手でなんとか頑張っていたメイショウカドマツでしたが、ゴール寸前で凄い脚で飛び込んできたのがオペラダンシング。なんと最低の16番人気。3着はメイショウカドマツと写真判定になりハナ差先着。プリンシパルS11着、直前の江の島特別がブービーの8着。手の出し辛い馬でした。
騎乗した江田照騎手は福島の1800mなら走るという思いから、尾形調教師にこのレースを勧めていたほどだったというのですから、まずは溜飲を下げたのではないでしょうか。
圧勝という形で優勝したファイナルフォーム、スタミナ戦で良績を残しているヤマニンファラオは、まずは秋に向けて楽しみな存在になったことは確か。一方、他の馬はこの夏の成長力が大きなカギだと思われます。
16番人気が3着に食い込んだラジオNIKKEI賞のレベル?!
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