戦前から波乱含みの様相を呈していた電撃の6ハロン戦、北九州記念は案の定、ゴール前で一転、ニ転の目まぐるしい展開を制したのが、小倉巧者のスギノエンデバーでした。
小倉で全3勝を稼ぎ出し、それもすべて6ハロン戦。小倉芝1200mのスペシャリスト、といっても過言ではありません。前走の佐世保特別を見事な直線一気差し。さすがに夏の小倉戦に絞って仕上げてきている様相はありました。
とはいえ、過去重賞にはまったくといっていいくらい縁がなく、しかも、1000万を勝って、いきなり、ハイ、重賞というドラマは、私には描けませんでした。
今回の北九州記念は4頭の主役級の“エーシン”が出走。1番人気がエーシンヒットマンで、2番人気がエーシンヴァーゴウ。差なく5番人気がエーシンダックマン。
おそらくエーシンダックマン、リュンヌ、シャウトラインなど逃げ争い。それを人気のエーシンヴァーゴウ、エーシンヒットマン、ジュエルオブナイル、ナイアード、シャウトラインが急追する展開。かなり激しいペースが予測されて、後方待機馬で一瞬の脚を生かす馬にとっては有利な展開になると見ていました。
いつものように抜群のスタートを決めた外枠のリュンヌが先頭に立ったところを、負けまいと、しごいてエーシンヒットマンがなんとか主導権。外にリュンヌがいて、その直後にジュエルオブナイル、エーシンヴァーゴウ、ボストンエンペラー、シャウトラインが並んで急追。ヘニーハウンド、エーシンヒットマンがピッタリと直後で追走。エーシンリジルも差なく続き、中団にシゲルスダチ、ナイアード。そして後方には内にはダッシュがつかなかったツルマルレオン。その外にスギノエンデバーとコパノオーシャンズ、エピセアローム。
前半の6ハロンが32秒2という予測されたハイペース。ほぼこの状態で4コーナーまで来ると、先行した各馬の脚色が急に鈍り出し、待機馬が直線いっぱいに広がり、どの馬にもチャンスか、といった様相。エーシンヴァーゴウ、エーシンヒットマンがゴール前でギブアップ気味。そこを目がけて後方待機馬が外をまわり、まさに軍団のように押し寄せてきました。その中から大外に出したスギノエンデバーが、強烈なパンチ力で一気に抜き去ると、1馬身突き放し自身過去ベストの1分6秒9で完封。小倉4勝目が重賞となりました。
混戦の間を割って52Kの軽ハンデを生かしたシゲルスダチが2着に割っては入る大好走。大外からスギノエンデバー同様に一気に末脚を伸ばしてきた小倉2歳S優勝馬エピセアロームが猛然と強襲。同様にコパノオーシャンズも中を割るように肉迫。そこには一瞬、抜けるかという勢いがあったヘニーハウンドもいました。
私のツルマルネオンは最内枠でダッシュがつかず終始、最後方グループのイン。外からかぶせられるような感じの位置取りで、ようやく直線で前があき伸びるか、と思えたのですが、直線で進路が狭くなる不利。1月のシルクロードSで休養明けながら優勝したロードカナロアに0秒4差。当時、エーシンヴァーゴウが2着で、この馬と同タイムで走る抜いたスピード、短距離戦での瞬発力を重視。結局、1番枠であまりにも後手後手。不完全燃焼の10着敗退。もっとも1000万を勝って、前走が準オープン2着なのに55Kのハンデ。準オープン2連勝したエーシンヒットマンと同ハンデ。それはあんまりだ、という思いもあったのでした。無念です。3連単は100万円近い配当になりました。
やはり薄氷の激戦だった真夏の電撃6ハロン戦!!
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