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秋華賞の試走的レースで圧勝!牝馬3冠は桜花賞・オークスの再現か!!


 「本番の秋華賞が京都の内回りの2000mだから、それを見据えたレースをしようと思って臨みました」と、コメントをしていたジェンティルドンナの岩田騎手。
 ジェンティルドンナは桜花賞、オークスをアッサリと連勝。3冠目の秋華賞を制すると、アパパネ以来、史上4頭目となる3冠牝馬の誕生。
 おりしも、そのアパパネが右前の浅屈腱炎を発症。9月15日付けでJRAの登録を抹消。第二の繁殖生活に旅立ったばかりでした。3冠という運命の冠は、唯一、可能性があるジェンティルドンナに託されたのです。
No1  戦前、私は本番を直後に控えて、ジェンティルドンナ、その当面のライバルであるヴィルシーナ共々、お互いを牽制して、互いの状態、成長を計ろうと、じっくりと大事に乗ってくるに違いない、と考えました。
 それゆえサンマルクイーンの単騎逃げ、それを見込んでキャトルフィーユが楽々2番手を確保。ジェンティルドンナとヴィルシーナが互いに牽制しながら中団で脚を温存。直線の叩き合いに持ち込むことになるだろう、と読みました。
No2  ところが、サンマルクイーンが主導権を取れたもののジェンティルドンナの岩田騎手が強気に2番手を主張。楽に2番手をキープできると思っていたキャトルフィーユが終始外から並びかけられて、プレッシャーを受ける不運な形。
 当然、その後ろにはジェンティルドンナをマークして、ヴィルシーナが虎視眈々という展開で、先行力を生かしたかったキャトルフィーユにとっては、考えたストーリーというわけには行かなくなりました。
No3  そんな周りの思惑なんて少しも頭に入っていなかった岩田騎手。ただひたすら思いは先の3冠・秋華賞のこと。不安材料、課題を一掃することに脳内スイッチを切り替えていたのです。
 「秋華賞は京都の内回り。桜花賞やオークスのような競馬をしていては、取りこぼしがあるかも知れない。より確実性をもたせるには、やはり少しでもいい位置で競馬をするべきだろう。今回のローズSは間違いなくスローだ。2番手で付いて回ってヴィルシーナに負けたら仕方ない。でも、それで勝ったら秋華賞に向けて心強い・・」岩田騎手の目はすでに秋華賞の試走とも思える気持ちで臨んでいたのです。
No4  その思いはローズS快勝となって実を結んだのでした。予想通り主導権を楽に取ったサンマルクイーンが飛び出し、2番手には外からジェンティルドンナが積極的に進出。これを受けてキャトルフィーユがインで控える形。ピンナ騎手のサトノジョリーが存在感を示すように上位に浮上。そしてヴィルシーナの内田博騎手の目はあくまでも直ぐ前を行くジェンティルドンナ唯1頭。その直後に決め手を生かしたいラスヴェンチュラス。
No5  前半1000mが61秒4と、予期した通りの超スロー。そして、直線では文字通り決め手の勝負で、早めに先頭に踊り出たジェンティルドンナが、そのまま必至に迫らんとするヴィルシーナを1馬身半突き放して文句なしの圧勝。
No6  一旦、2番手争いをヴィルシーナと演じていたキャトルフィーユも懸命に食らいついていたのですが、ゴール寸前で外から強襲してきたラスヴェンチュラスにクビ差、差し込まれて4着。
No7  レースの上がり3ハロンが33秒4。プラス12Kの馬体重だったジェンティルドンナ、同じく18K増だったヴィルシーナ。この体重増も成長の証しだったとすると、3冠の桜花賞、オークス、そして秋華賞がまったく同じ結果になる、ということも十分考えられます。また、それも偉大なドラマひとつかも知れません。