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無敵の3歳馬が目指す古馬の頂点で歴史的同期決戦!


 大変なことが起きました。それは古馬の勢力図を塗り替えるような一大事でした。天皇賞の前哨戦、毎日王冠です。
 この日、1番人気に推されたのが、なんと3歳馬のカレンブラックヒル。NHKマイルC以来、5ヶ月ぶりの実戦。しかも、キャリアが4戦で、これまで1600mまでの経験しかなく芝1800mは初めてのこと。そんな状況下で古馬のGI馬5頭を相手に、1番人気として果たしてどんなレースができるのか大いに注目されました。
 古馬陣は2番人気の支持を集めたのがダービー馬エイシンフラッシュ。エプソムCを勝ち芝1800mは4戦3勝のトーセンレーヴが3番人気。何故か安田記念をレコード勝ちしたストロングリターンが意外にも5番人気で、同じ安田記念で2着だったグランプリボスは14番人気。これらの人気の振り分けが、どうも私には解せませんでした。

 最近の毎日王冠にとびっきりのデータがあることを発見。過去5年の結果から優勝馬、及び2着馬のすべては、なんとなんと馬番が8番枠以内で決着。また、3着馬も昨年の馬番10番ミッキードリームだけ。開幕週とあって内枠の馬番を引いた馬が、断然有利だったのです。
 1番人気のカレンブラックヒルは4番枠。2番人気のエイシンフラッシュが13番枠。3番人気トーセンレーヴは大外16枠。結果的にこの枠順の違いというのは小さくなかったのです。
 
No1 No2
 レースは予測通り最内から飛び出したシルポートが主導権。カレンブラックヒルが自然に2番手に上がったものの2ハロンを通過して、外からグランプリボスが一気に浮上し2番手。その内に正攻法で臨むカレンブラックヒル。その直後に潜り込んだのがリアルインパクト。この馬には狙っていた位置取りでした。それを前に見てサンライズプリンスとタッチミーノット、そしていつもより積極策を見せるトーセンレーヴ。ダノンシャークとストロングリターンも早めのポジション。中団にジャスタウェイとエイシンフラッシュ。それを追ってエイシンアポロン。そこから離れて後方には出負けしたフェデラリスト。
No3  前半の半マイルが46秒0。やや速いペースで流れて行きます。快調に飛ばすシルポートを追ってグランプリボス。少し離れてカレンブラックヒル。そこからまた少し間を置いてリアルインパクト、トーセンレーヴ。また少し離れてダノンシャークにストロングリターン。その直後に内にタッチミーノット、さらにその外にジャスタウェイとエイシンフラッシュ。エイシンアポロンがいて、その後方にはフェデラリスト。先頭から後方まで大きく縦長の展開。
No4  4角でもこの順位は変わらず、前の2頭が後続を離し気味にスパート態勢。3番手のカレンブラックヒルは先頭に立っている形で追走。その後ろのリアルインパクトもまだ仕掛けず、トーセンレーヴとともに直線勝負に賭けます。
No5  直線で逃げたシルポートに並びかけたグランポリボスが一気に先頭。これを待ってカレンブラックヒルの秋山騎手がスパート。その内から忍び寄ってきたダノンシャーク。外のリアルインパクトも肉迫。グランプリボスをあっという間に捉えたカレンブラックヒルはゴールを目指し真一文字。
No6  そのときでした。ゴール直前でブルーの帽子の2騎が外からもの凄い勢いで強襲。タッチミーノットとジャスタウェイ。とくにジャスタウェイの柴田善騎手のステッキが唸りを立ててカレンブラックヒルを追います。
 それでもなんとか凌ぎ切ったカレンブラックヒルが見事な押し切り勝ちで5戦全勝。惜しくもクビ差及ばなかったジャスタウェイ。ラスト33秒0の強烈な伸び脚が際立っていました。
 今回2頭の3歳馬が出走してワン・ツー劇。これは世代の違いか、あるいは4歳以上の世代の体調不備によるものか。来たる天皇賞、マイルチャンピオンシップが今後のGI戦線を占う意味でも大いに注目されます。
No7 No8
 ダービー2着、セントライト記念優勝のフェノーメノと、今回のカレンブラックヒル。3歳を代表する2頭が期せずして、古馬の頂点、天皇賞で相対することに。これも秋の大きな見物です。