午後になると時間ごとに激しくなる雨。京都競馬場は前日とは一変。ジョッキーの勝負服や顔が泥で真っ黒になっていくことを確認。
「ヨシャ!これでレインボーダリアに運がグンと近づいてきたぞ」私は、雨を小躍りする気持ちで待っていたのでした。
それは金曜日の夜のことでした。天気予報を見ていたら西から近づいてきた低気圧が、日曜に関西から東海、関東を通過するという知らせ。そして、深夜になり再び天気予報をチェックすると、京都の土曜は晴れ、日曜は午前中から雨になるとの予報。ここで小雨が降る京都競馬場の模様が私の脳裏にくっきりと浮かび上がってきたのでした。
実際、馬場のインコース寄りが時間ごとに悪化。内枠を走る馬はよほど道悪巧者でないと厳しい。それも逃げ、先行馬は直線で失速するだろう。となると、直線で馬場のシッカリしている大外から追い込んで来る馬だ。外枠を引いた馬がいい。私はそれまでの女王杯予想を見直して、変更を決断していたのでした。
当初は先行策から二枚腰が使えるスマートシルエット◎を考えていたのですが、雨が降り続く状況下では、他馬も早めに動くので相当厳しいと判断。同様に1枠のマイネイサベルは無理。古馬オープン勝ちの同じ1枠のアカンサスも同様。道悪で凡走しているフミノイマージンはまったくのお手上げ。ホエールキャプチャも雨でスタミナの競馬は向いていない。
そんなことを考えながら本命に行き着いたのがレインボーダリアだったのです。昨年のエリザベス女王杯がインの悪いところ走り17番人気ながら5着に善戦。4着のホエールキャプチャと1馬身差の接戦だったのです。レインボーはここ2年で優勝したのが洋芝の函館と札幌。時計を要する馬場が向いていて、実際、道悪馬場で2戦し1、3着。
そんなレインボーダリアが前走の府中牝馬Sで大外から自身ベストの32秒9というケタ違いの脚で肉迫。これは間違いなく成長しているぞ。直前の調教でも手綱を持ったまま併せたエイブルサクセスに先着するくらいの勢い。15番枠も馬場のいいところを走れるし、直線外に難なく持ち出せるはず。最大目標とするヴィルシーナを外から仕留めることが出来るかも知れない。ということで、◎レインボーダリア○ヴィルシーナという予想が思い浮かび上がったのです。眠気との闘いで女王杯のコラムを書き上げたとき、時計の針は朝の5時を指していました。
土曜の午後、東京競馬場で某きゅう舎の手伝いをしているH君に遭遇。「アベコーさん、本命はなんですか?」と聞くからレインボーダリアだよと答えたら、耳の傍で「テキがなんか一人でリキんでいましたよ」と、嬉しい情報。
前日売りのオッズを見たら単勝30倍以上。これはこれはフフフ・・・。応援しているダイマジンの佐々木主浩さんと、大好きな内田博騎手のヴィルシーナ。無冠の女王だけど今回は本当に申し訳ない、と手を合わせたのでした。
主導権を取ったのが、やはりレジェンドブルー。これを追ってマイネジャンヌ。道悪巧者オールザットジャズが3番手で、その後ろにスマートシルエットと、単勝1.9倍という圧倒的な人気を集めたヴィルシーナ。そしてホエールキャプチャが中団。マイネイサベル、アカンサスもこの位置。好スタートから控えたレインボーダリアが後方を追走。フミノイマージンがいて最後方には出遅れたピクシープリンセス。
前半の4ハロンが49秒8で1000m通過が62秒4。明らかに流はスローで流れていきます。坂を下りた3コーナーで外からエリンコートがグングンと好位置に上昇。これを見てラシンティランテが続きます。
そして4コーナーで情勢が一転。好位にいたオールザットジャズが一気に動きました。レジェンドブルーから主導権を奪うと、ここが勝負どころと見たのか、あっという間に2番手以下を離して行きます。それが目に入った内田騎手のヴィルシーナも動きました。
そのときです、直線外から力強い足どりでレインボーダリアが一気に進出。内で頑張っていたオールザットジャズも、さすがに脚色が鈍り出し、これをヴィルシーナが捉えると、スッと馬体を併せてきたのがレインボーダリア。そしてあっという間に先頭に立ちかけたのですが、ヴィルシーナも3冠2着の意地とプライド。内田騎手も懸命にしごいて盛り返します。2頭の激しいデッドヒート。ゴール寸前で追う強味かレインボーダリアが先頭に立ったときに、猛然と大外からピクシープリンセスが強襲。
それでも、優勝はレインボーダリアが競り勝ちました。クビ差でヴィルシーナが2着。強襲したピクシープリンセスが頭差で3着。
レインボーダリアの柴田善臣騎手は、一昨年のナカヤマフェスタの宝塚記念以来でGI通算8勝目。そのクールで控えめなガッツポーズに思わず拍手を送っていました。
◎○で決めたぞ!エリザベス女王杯は雨が運んでくれた申し訳ないラッキーな便り(^^♪
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