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ウオッカは不安、サムソンはもっと不安!


 いよいよ明日は今年の前半戦の総決算グランプリ「宝塚記念」。なんといっても話題の中心は、64年ぶりの牝馬ダービー馬に輝いたウオッカ。前日の前売りから堂々の1番人気の支持。昨年のダービー馬メイショウサムソンがこれに続きます。
 ところが、この2頭にどうしても残る不安があるのです。まず、ウオッカですが3歳牝馬で、宝塚記念を制した馬は皆無。過去の牝馬とはわけが違う、スケールが違うという人がいるかも知れません。確かにダービーの圧勝劇は、観ている者を震撼させる迫力がありました。時計もキングカメハメハやディープインパクトには及ばないもののそれに続く過去10年で3番目の好タイム。なによりラスト33秒0の破壊力は、ダービー史上最速。
 であるならば、宝塚記念も十分勝算があるという味方も当然なのですが、先日のダービーから中3週の臨戦過程。桜花賞からダービーにたっぷりと日程を取ったケースとはちがいます。ダービーは当初からの目標で、それなりに丹念に仕上げて来ることができました。宝塚記念はどうでしょう。ダービー直後に、次は宝塚記念です、と角居調教師は言っていませんでした。角居師はオーナーから宝塚記念出走に水を向けられたそうです。角居師にしてみれば、ある意味これは寝耳に水だったのかも知れません。
 3歳最高の頂点、日本ダービーで最高のパフォーマンスを演じた牝馬が、中3週で再びダービー以上のパフォーマンスができるのか。ダービーの直後は、さすがにともに疲れがどっと出たそうです。全力走の後には、必ずといっていいくらい反動が出るというのが私の競馬哲学。
 しかも、今回は大逃げを打つかも知れないアドマイヤメインに、外枠からローエングリン、アサクサキングス、シャドウゲイト。早目に動くメイショウサムソン、ダイワメジャー。淡々としたスローペースのダービーとは、一変した様相になる公算が大。これまでいつもスローの流れに慣れてきたウオッカにとっては、今まで経験したことがない流れに飲み込まれそうになることが考えられます。ダービー力走の反動と、激しい前半の流れ。それらをクリアできる能力までも持ち合わせているか、私には不安です。

 一方、メイショウサムソン。昨年の2冠馬。今年は天皇賞・春も制して、当然ながらいきあがるところです。ところが、この馬には、ここ2戦いわゆるラッキーさがあったように思います。それが前走の天皇賞。当時、1番人気はアイポッパー。日本ではGⅠレースの連対実績すらない馬が人気を集めた一戦。同様に鼻差まで肉薄してきたのがエリモエクスパイア。重賞未勝利で、天皇賞直前の日経賞が7番人気で10着。それゆえ前走の天皇賞は、いかにも相手に恵まれた一戦とみています。
 昨年の菊花賞でバテ気味の3着アドマイヤメインから2馬身半差で4着。ジャパンCは同期の牝馬フサイチパンドラに先着されて6着。決定的だったのは有馬記念。大きな不利がありながら2着と好走したポップロック。マイル戦からの挑戦だった3着ダイワメジャー、これも不利がありながら3着したドリームパスポート。それらに遅れをとったということは、完全なGⅠ級の馬を相手にすると、やはり、もうひとつパンチが足りない、力不足のような気がします。ウオッカ同様に、ここ2戦、スローペースに馴染んで走ってきた馬。勝つのは困難かも知れない、というのが私の結論です。
 私は◎アドマイヤムーン、○ポップロックの順とみましたが、結果は明日の午後3時40分過ぎ。乞うご期待です。