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最後の大一番も牝馬タイフーンが席巻!!


  総決算の「有馬記念」。引退したアーモンドアイ。そして3歳3冠馬のコントレイルと、牝馬のデアリングタクト。令和2年を代表する千両役者の姿は、そこにはありませんでした。

  天皇賞(秋)でアーモンドアイに肉迫したフィエールマン、そしてクロノジェネシス。この2頭がジャパンCをパスして、有馬記念一本に臨んで来ました。むろん、人気はこの2頭で、宝塚記念を制した牝馬クロノジェネシスが1番人気。

ジャパンCはキセキが玉砕的なハイペースで飛ばし、上位を占めた馬たちは予想以上の激走を強いられて、その疲労で有馬記念は無理と、私が思っていたらカレンブーケドールとキセキが参戦。目一杯の力走の直後にもかかわらず、そのカレンブーケドールが3番人気の支持。

明らかにフィエールマン、クロノジェネシスの一騎討ちの様相でした。私は多くの可能性を持つ3歳の川田・オーソリティに熱視線。

  そんな中で「有馬記念」はスタートしました。先行するはずだったキセキが、持病の悪癖が出てスタートで遅れて後方。

  ハビットの内田騎手は手綱をしごきながら内から先頭に飛び出して行きます。強力な同型馬が見あたらないことから内枠のブラストワンピースが意表を突く2番手。外に馬体を併せたオーソリティ。スタートでキセキが遅れたことを見たルメール騎手のフィエールマン。遅いペースになることを危惧して、早めに2番手争いに加わります。

待機組のワールドプレミアも遅くなるペースを案じて好位をキープ。カレンブーケドールや、ラッキーライラックが中団で、その背後にはクロノジェネシス。さらに後方にはサラキア、ラヴズオンリーユー、ユーキャンスマイルが待機。

4コーナーで逃げるハビットにフィエールマンが接近。今にも抜け出すかの勢い。そして、その外からカレンブーケドール。その外から力強く押し上げて来たクロノジェネシス。また、内の2、3番手にいたオーソリティは、外から後続馬にワッと来られると、悪化した馬場コンディションのインで意気消沈したかのような走法。

内側を通ったフィエールマンがラストスパート。すると外からクロノジェネシスが忍び寄ります。ここでカレンブーケドールはギブアップ。内からフィエールマン、外から肉迫するクロノジェネシス。両者の激しい叩き合いは、そのクロノジェネシスに軍配。

ゴール寸前で大外から強襲したのが牝馬サラキア。直線は前の馬を全てのみ込みそうな勢いを見せましたが、クビ差まで詰め寄ったところがゴール。惜しくも2着でした。牝馬によるワン・ツー。クビ差でフィエールマン。

  高く掲げた左手でガッツポーズの北村友騎手。1番人気の重圧から解き放たれると、満面笑みで、喜びのパフォーマンスを、何度も見せてアピールしていました。

1、2着がクロノジェネシスとサラキア。アーモンドアイを筆頭に今年を席巻した牝馬軍団。その旋風は最後の大一番も締めました。