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混戦菊花賞?!終わってみれば5馬身差の独演会!!


  皐月賞馬、ダービー馬が不在。どなたが言ったか混戦「菊花賞」。それが終わってみれば5馬身差の一方的な独演会でした。

第82回の菊花賞の栄冠を手にしたのはタイトルホルダー。鞍上の横山武騎手は満面の笑みで幾度となくガッツポーズを繰り返していました。

最内から約束されていたように楽に主導権を取るはずだったワールドリバイバルの津村騎手が、スタートを切るやいなやビックリするかのように、慌てて手綱を引く予測外の事態。

それはタイトルホルダーの横山武騎手が、ここは絶対先手を取るんだ!と言わんばかりに凄い気迫で外から手綱をしごいて主導権を主張。前半の3ハロンが35秒1。3000mの長距離戦では考えられないようなペースです。この気迫に先行各馬は一緒に行ってはダメだ、とばかり手綱を引きます。

3馬身、4馬身、5馬身と大きなリードを取って逃げるタイトルホルダー。ところが、横山武マジックは1、2コーナーの4ハロン辺りで、ガクンとペースを落とします。12秒台、そして14秒台、13秒台とタイトルホルダーに息をゆっくり入れさせる高等技術。タイトルホルダーも鞍上の手綱に応えます。

3、4コーナーで後続を引き付けたタイトルホルダー。ラストの4ハロンを46秒8、3ハロンが11秒5―11秒4と再加速。最後は流し気味に3ハロン35秒1。後続に5馬身差のワンマンショーでした。

  横山武騎手は「1頭だとリラックスして走るので、無理してもハナを譲る気はありませんでした」とコメント。その強い思いが結果的に独壇場の結果に繋がった気がします。

そして「個人的に3000mは少し長いかもと感じていましたが、終わってみれば強かったですね。馬の力を信じてあげられなかった自分が恥ずかしいです」と反省。

直線激しい2番手以下の争いは、ゴール前で抜け出て来た牝馬のディヴァインラブ、その外からオーソクレース、そして一番外からステラヴェローチェが強襲。3頭が馬体を併せるように並んでゴールに入りましたが、オーソクレース、ディヴァインラブ、ステラヴェローチェの順で決まりました。

一方で、期待されたレッドジェネシスは前半から行きっぷりが悪く、最後方近くで展開する厳しい競馬。直線で大外から一瞬、伸びかけましたが最後は前の馬と同じ脚色となってしまいました。

「騎乗した時から苦しい感じが伝わって来ました。前走(神戸新聞杯2着)のダメージが本番で出たのかも知れません」と川田騎手が振り返ります。

42年ぶりとなった阪神競馬場での菊花賞。セイウンスカイから数えて23年ぶりの菊花賞の逃げ切りでした。